
RZ350を安全・確実に整備するうえで最重要なのが締め付けトルク(規定トルク)の厳守です。ヘッドナットやアクスル、キャリパーボルト、YPVSまわりまで、適正値を守らないとオイル漏れや緩み、最悪の場合は重大なトラブルにつながることも。
本記事では、エンジン/足回り/ブレーキ/ステアリング/フレーム/電装/YPVS/燃料・冷却まで、RZ350の主要部位を横断的にカバーした締め付けトルク一覧表を一括掲載。DIYメンテからオーバーホールまで、作業直前に欲しい数値へすばやくアクセスできます。
年式や型式で値が異なる場合があるため、作業時は必ず実車のサービスマニュアルで最終確認し、トルクレンチを使用のうえ段階締め・対角締めなど正しい手順で行いましょう。
ヤマハ RZ350 締め付けトルク一覧表
区分 | 箇所 / ボルト | ねじ | 締め付けトルク (kgf·m) | 締め付けトルク (N·m) |
---|---|---|---|---|
エンジン | スパークプラグ | M14 | 1.0–2.0 | 9.8–19.6 |
エンジン | シリンダーヘッドナット | M8 | 2.0–2.9 | 20–28.5 |
エンジン | シリンダベースナット | M8 | 2.0–3.0 | 19.6–29.4 |
エンジン | クランクケース結合ボルト | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
エンジン | ACG(ジェネレーター)ローターナット | — | 7.0–9.0 | 68.6–88.3 |
エンジン | ステータ固定ボルト | M6 | 0.7–0.9 | 6.9–8.8 |
エンジン | オイルドレンボルト | — | 1.5–2.5 | 14.7–24.5 |
エンジン | ウォーターポンプカバー | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
エンジン | サーモスタットハウジング | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
エンジン | インテークマニホールド固定 | M6 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
エンジン | リードバルブ固定 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
エンジン | エキゾーストフランジナット | M8 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
クラッチ/ミッション | クラッチスプリングボルト | M6 | 1.2 | 11.8 |
クラッチ/ミッション | クラッチハブ(センター)ナット | — | 5.0–7.0 | 49–69 |
クラッチ/ミッション | シフトペダルクランプボルト | M6 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
クラッチ/ミッション | ニュートラルスイッチ | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
クラッチ/ミッション | クラッチ/オルタネータカバー | M6 | 0.7–1.0 | 6.9–9.8 |
駆動系 | ドライブスプロケット・ロックナット(前) | — | 7.0–9.0 | 68.6–88.3 |
駆動系 | ドリブンスプロケットナット(後) | M8 | 3.0–3.5 | 29.4–34.3 |
駆動系 | スプロケットキャリアナット | M10 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
駆動系 | チェーンアジャスター固定 | M6 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
駆動系 | ブレーキロッドアジャスター | M6 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
駆動系 | チェーンガード/ローラーブラケット | M6–M8 | 0.6–2.0 | 5.9–19.6 |
足回り | フロントアクスルナット | — | 7.5 | 74 |
足回り | リアアクスルナット | — | 10.7 | 105 |
足回り | フロントアクスルピンチボルト | M8 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
足回り | フロントディスクローターボルト | M8 | 2.0 | 19.6 |
足回り | リアディスクローターボルト(装備車) | M8 | 2.0 | 19.6 |
フォーク/ステアリング | フォークトップキャップ | M27 | 2.5–3.5 | 24.5–34.3 |
フォーク/ステアリング | フォークオイルドレン(プラグ) | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
フォーク/ステアリング | アッパーブラケット(トップ)クランプ | M8 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
フォーク/ステアリング | アンダーブラケット(ロア)クランプ | M8 | 2.5–3.5 | 24.5–34.3 |
フォーク/ステアリング | ステムナット(トップ) | M22 付近 | 8.0–10.0 | 78.5–98.1 |
フォーク/ステアリング | ステムロックナット | M30×1 付近 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
サスペンション | リアショック 上マウント | M10 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
サスペンション | リアショック 下マウント | M10 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
サスペンション | スイングアームピボットナット | M14 | 6.0–7.0 | 58.8–68.6 |
ブレーキ | キャリパー取付ボルト | — | 3.5–4.0 | 34–39 |
ブレーキ | キャリパースライドピン/ブラケットピン | M8 | 1.8–2.5 | 17.7–24.5 |
ブレーキ | ブレーキパッドピン | M8 | 1.5–2.0 | 14.7–19.6 |
ブレーキ | フロントマスターシリンダークランプ | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
ブレーキ | リアマスターシリンダー取付 | M8 | 1.8–2.5 | 17.7–24.5 |
ブレーキ | バンジョーボルト(前後) | M10 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
ブレーキ | ブリーダープラグ | M8 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
ブレーキ | マスターリザーバーキャップスクリュー | M4 | 0.2–0.3 | 2.0–3.0 |
ハンドル/操作系 | ハンドルホルダー | M8 | 1.8–2.5 | 17.7–24.5 |
ハンドル/操作系 | クラッチレバークランプ | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
ハンドル/操作系 | ブレーキレバークランプ | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
ハンドル/操作系 | スロットルホルダー | M5 | 0.4–0.6 | 3.9–5.9 |
ハンドル/操作系 | スイッチハウジング(左右) | M5 | 0.4–0.6 | 3.9–5.9 |
ハンドル/操作系 | ミラーホルダー | M10 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
ハンドル/操作系 | ハンドルエンドウェイト | M6 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
メーター/ライト | メーターステー取付 | M8 | 1.8–2.5 | 17.7–24.5 |
メーター/ライト | ヘッドライトケース固定 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
メーター/ライト | ヘッドライトステーピンチ | M8 | 1.8–2.5 | 17.7–24.5 |
フレーム/外装 | エンジンハンガー(前) | M10 | 4.0–5.0 | 39.2–49.0 |
フレーム/外装 | エンジンハンガー(後) | M10 | 4.0–5.0 | 39.2–49.0 |
フレーム/外装 | フューエルタンク前固定 | M8 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
フレーム/外装 | フューエルタンク後固定 | M8 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
フレーム/外装 | シート取付ボルト | M8 | 2.0 | 19.6 |
フレーム/外装 | サイドカバー固定 | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
フレーム/外装 | フロントフェンダー固定 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
フレーム/外装 | リアフェンダーブラケット | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
フレーム/外装 | グラブバー取付 | M8 | 1.5–2.0 | 14.7–19.6 |
フレーム/外装 | ナンバープレートステー | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
電装 | イグニッションコイル取付 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
電装 | レギュレーター/レクチファイア取付 | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
電装 | CDIユニット取付 | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
電装 | バッテリーステー | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
電装 | アースポイント固定 | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
電装 | ホーンブラケット | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
電装 | サイドスタンドスイッチ | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
燃料/冷却 | タンクキャップスクリュー | M5 | 0.4–0.6 | 3.9–5.9 |
燃料/冷却 | フューエルホースクランプ | — | 0.3–0.5 | 2.9–4.9 |
燃料/冷却 | ラジエーターステー(上下) | M8 | 1.5–2.5 | 14.7–24.5 |
燃料/冷却 | リザーバータンクステー | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
燃料/冷却 | ウォーターホースクランプ | — | 0.3–0.5 | 2.9–4.9 |
燃料/冷却 | ラジエーターファン取付(装備車) | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
燃料/冷却 | ファンスイッチ(ねじ込み) | — | 1.5–2.0 | 14.7–19.6 |
キャブ/吸気 詳細 | キャブトップキャップスクリュー | M4 | 0.2–0.4 | 2.0–3.9 |
キャブ/吸気 詳細 | フロートチャンバー固定 | M5 | 0.3–0.5 | 2.9–4.9 |
キャブ/吸気 詳細 | キャブドレンプラグ | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
キャブ/吸気 詳細 | リードストッパー固定 | M5 | 0.5–0.7 | 4.9–6.9 |
キャブ/吸気 詳細 | インシュレーターバンド | — | 0.3–0.5 | 2.9–4.9 |
排気 詳細 | チャンバーフランジナット | M8 | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
排気 詳細 | チャンバーハンガー/ステー | M8 | 2.0–3.0 | 19.6–29.4 |
排気 詳細 | サイレンサー固定ボルト | M8 | 2.0–3.0 | 19.6–29.4 |
YPVS/オートルーブ | YPVS バルブカバー固定 | M5 | 0.4–0.6 | 3.9–5.9 |
YPVS/オートルーブ | YPVS バルブハウジング固定 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
YPVS/オートルーブ | YPVS サーボモーターブラケット | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
YPVS/オートルーブ | YPVS プーリー/シャフトロックナット | M8 | 1.5–2.0 | 14.7–19.6 |
YPVS/オートルーブ | オイルポンプ本体取付 | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
YPVS/オートルーブ | オイルポンプ ブリードスクリュー | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
YPVS/オートルーブ | オイルラインバンジョー | M6 | 0.8–1.2 | 7.8–11.8 |
スタンド/小物 | サイドスタンドボルト | M10 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
スタンド/小物 | サイドスタンドスプリングピン | — | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
スタンド/小物 | センタースタンドボルト | M10 | 3.0–4.0 | 29.4–39.2 |
スタンド/小物 | センタースタンドスプリングピン | — | 1.0–1.5 | 9.8–14.7 |
スタンド/小物 | キックペダルボルト | M8 | 2.0–2.5 | 19.6–24.5 |
スタンド/小物 | ライダー/ピリオンステップホルダー | M10/M8 | 3.0–4.0 / 2.0–2.5 | 29.4–39.2 / 19.6–24.5 |
スタンド/小物 | ヘルメットホルダー | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
スタンド/小物 | 各種ステー/クランプ類 | M6 | 0.6–1.0 | 5.9–9.8 |
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
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おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較|選び方も解説
まとめ
RZ350の性能と信頼性を長く維持する近道は、規定トルクを正しく守ることです。この記事の一覧表をブックマークしておけば、点検・消耗品交換・分解整備のたびに迷わず確認できます。
実作業では、ガスケットやクラッシュワッシャーの再使用可否、ネジロックやグリスの指定有無、締め付け順序にも注意。数値だけでなく手順も含めて丁寧に仕上げることで、2ストならではの鋭いフィーリングとRZ350本来の信頼性を引き出せます。
安全第一・確実作業で、あなたのRZ350ライフをより快適に。
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