
ヤマハYZF-R1の整備やメンテナンスで必ず確認しておきたいのが、各部の締め付けトルク値です。
ホイールやブレーキ、エンジン周りのボルト・ナットは、規定トルクで締めることで安全性や走行性能が確保されます。
本記事では、1998年の初期型から現行モデルまでのYZF-R1に対応した締め付けトルク値を部位別に一覧表で整理しました。
サービスマニュアルを持っていない方や、整備中に「このボルトは何Nmで締めるんだっけ?」と迷う方の参考になるように、エンジン・駆動・サスペンション・外装まで幅広く網羅しています。
ぜひ日常メンテナンスやカスタム、DIY整備の際に活用してください。
ヤマハ YZF-R1 締め付けトルク一覧表
エンジン本体
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
シリンダーヘッドボルト | 30 → 90°増し締め |
カムシャフトキャップボルト | 10 |
カムスプロケットボルト | 55 |
バルブクリアランスアジャストナット | 10 |
カムチェーンテンショナーボルト | 12 |
シリンダーベースナット | 23 |
コンロッドキャップボルト | 20 → 90°増し締め |
クランクケース分割ボルト(M8) | 23 |
クランクケース分割ボルト(M6) | 10 |
クランクシャフトメインベアリングキャップ | 30 |
ピストンピンクリップ | 手組み |
オイルポンプ取付ボルト | 12 |
オイルポンプギアボルト | 12 |
オイルストレーナーカバー | 10 |
オイル・潤滑系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
オイルドレンプラグ | 43 |
オイルフィルター | 17 |
オイルパイプユニオンボルト | 25 |
オイルクーラー取付ボルト | 23 |
オイルジェット | 12 |
冷却系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ラジエーターマウントボルト | 12 |
ラジエーターファン固定ボルト | 7 |
サーモスタットカバー | 10 |
ウォーターポンプインペラーナット | 10 |
ウォーターポンプカバー(M6) | 10 |
クーラント温度センサー | 15 |
ラジエータードレンボルト | 10 |
ホースクランプ | 2 |
吸気・燃料系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
スロットルボディ固定ボルト | 10 |
スロットルケーブルアジャスターナット | 5 |
インテークマニホールドボルト | 23 |
インジェクターホルダー | 8 |
フューエルレール固定 | 10 |
フューエルポンプユニットボルト | 4 |
フューエルタンク前側取付ボルト | 20 |
フューエルタンク後側ボルト | 12 |
点火・電装
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
スパークプラグ | 13 |
イグニッションコイル固定ボルト | 8 |
フライホイールナット | 155 |
スターターモーター固定ボルト | 23 |
ステーターボルト | 10 |
ECU固定ボルト | 7 |
レギュレーター固定ボルト | 10 |
ABSセンサー固定ボルト | 7 |
バッテリーターミナルボルト | 6 |
クラッチ・ミッション・駆動
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
クラッチハウジングナット | 130 |
クラッチスプリングボルト | 10 |
クラッチレリーズレバーボルト | 12 |
シフトペダルピンチボルト | 12 |
シフトロッドロックナット | 12 |
シフトドラムセンターボルト | 23 |
ドライブスプロケットナット | 140 |
リアスプロケットナット | 100 |
スプロケットキャリアナット | 80 |
チェーンアジャスターロックナット | 16 |
サスペンション・ステアリング
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
フロントアクスルナット | 115 |
アクスルピンチボルト(各) | 21 |
フロントフォークトップキャップ | 17 |
フロントフォークボトムケースボルト | 23 |
フロントフォーククランプ(上側) | 26 |
フロントフォーククランプ(下側) | 23 |
トップブリッジセンターナット | 115 |
ステムナット(リングナット)当て締め | 52 |
ステムナット(リングナット)本締め | 14 |
スイングアームピボットシャフトナット | 115 |
リアショック上側マウント | 45 |
リアショック下側マウント | 45 |
サスペンションリンクボルト | 59 |
ホイール・ブレーキ
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
フロントブレーキキャリパーボルト | 35 |
リアブレーキキャリパーボルト(前側) | 27 |
リアブレーキキャリパーボルト(後側) | 12 |
ブレーキディスクボルト(前後) | 23 |
ブレーキホースバンジョーボルト | 25 |
マスターシリンダークランプボルト | 8 |
レバーピボットボルト | 8 |
リアアクスルナット | 190 |
ステップ・ペダル・スタンド
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ライダーステップブラケット | 28 |
パッセンジャーステップブラケット | 28 |
シフトロッドジョイントナット | 12 |
リアブレーキペダルピボルト | 23 |
サイドスタンドピボルト | 47 |
サイドスタンドスプリングピン | 10 |
リアスタンドフックボルト | 23 |
外装・カウル類
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
サイドカウルボルト | 7 |
アンダーカウルボルト | 7 |
フロントフェンダーボルト | 7 |
リアフェンダーボルト | 12 |
スクリーンボルト | 7 |
メーターパネル固定 | 7 |
ヘッドライト固定 | 23 |
テールランプユニット | 7 |
ウィンカー固定ナット | 8 |
ナンバープレートホルダー | 12 |
シート固定ボルト | 12 |
グラブバー(装備車) | 28 |
小物・補機類
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ホーン固定ボルト | 7 |
リフレクター固定ナット | 7 |
ワイヤーハーネスクランプ | 5 |
リレー/ヒューズボックス固定 | 7 |
センサー類ブラケット | 7 |
YZF-R1 締め付けトルク 年代別比較表
フロント周り
部位 | 1998–2003 (4XV/5JJ) | 2004–2008 (5VY/4C8) | 2009–2014 (14B) | 2015–現行 (2CR/BN6〜) |
---|---|---|---|---|
フロントアクスルナット | 90 | 120 | 115 | 115 |
アクスルピンチボルト | 23 | 23 | 21 | 21 |
Fブレーキキャリパーボルト | 40 | 40 | 35 | 35 |
トップブリッジナット | 100 | 105 | 110 | 115 |
トップブリッジピンチボルト | 23 | 23 | 23 | 26 |
ボトムブリッジピンチボルト | 23 | 23 | 23 | 23 |
リア周り
部位 | 1998–2003 | 2004–2008 | 2009–2014 | 2015–現行 |
---|---|---|---|---|
リアアクスルナット | 140 | 150 | 180 | 190 |
ドライブスプロケットナット | 130 | 135 | 135 | 140 |
リアスプロケットナット | 90 | 100 | 100 | 100 |
エンジン・駆動系
部位 | 1998–2003 | 2004–2008 | 2009–2014 | 2015–現行 |
---|---|---|---|---|
スパークプラグ | 13 | 13 | 13 | 13 |
オイルドレンプラグ | 43 | 43 | 43 | 43 |
オイルフィルター | 17 | 17 | 17 | 17 |
クラッチスプリングボルト | 10 | 10 | 10 | 10 |
クラッチセンターナット | 120 | 125 | 130 | 130 |
フライホイールナット | 150 | 155 | 155 | 155 |
ステアリング・サスペンション
部位 | 1998–2003 | 2004–2008 | 2009–2014 | 2015–現行 |
---|---|---|---|---|
ステアリングステムリングナット(仮締め) | 50 | 50 | 50 | 52 |
ステアリングステムリングナット(本締め) | 12 | 12 | 12 | 14 |
スイングアームピボットシャフト | 100 | 105 | 110 | 115 |
リアショック上下マウント | 45 | 45 | 45 | 45 |
リンクプレートボルト | 55 | 55 | 59 | 59 |
ブレーキ周辺
部位 | 1998–2003 | 2004–2008 | 2009–2014 | 2015–現行 |
---|---|---|---|---|
フロントディスクボルト | 23 | 23 | 23 | 23 |
リアディスクボルト | 23 | 23 | 23 | 23 |
ブレーキホースバンジョー | 25 | 25 | 25 | 25 |
マスターシリンダークランプ | 8 | 8 | 8 | 8 |
レバーピボットボルト | 8 | 8 | 8 | 8 |
外装・補機(共通値が多い)
部位 | 1998–2003 | 2004–2008 | 2009–2014 | 2015–現行 |
---|---|---|---|---|
サイドカウルボルト | 7 | 7 | 7 | 7 |
アンダーカウルボルト | 7 | 7 | 7 | 7 |
スクリーンボルト | 7 | 7 | 7 | 7 |
シート固定ボルト | 12 | 12 | 12 | 12 |
ミラー固定ナット | 23 | 23 | 23 | 23 |
✅ このようにまとめると、時代ごとの違いはアクスル・ステム・エンジンハンガーなど一部のみで、大半は共通トルク値であることがわかります。
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
関連記事
おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較|選び方も解説
まとめ
YZF-R1はスーパースポーツとして非常に高性能なマシンですが、同時に締め付けトルク管理がシビアなバイクでもあります。
規定値より緩ければ走行中のトラブルや脱落のリスクがあり、逆に締めすぎればネジ山破損やパーツの歪みに繋がります。
この記事で紹介した一覧表を参考に、
- 日常整備(オイル交換・ブレーキメンテナンス)
- カスタムパーツ取り付け(マフラー・ステップ・カウル類)
- 大掛かりな分解整備(エンジン腰上・駆動系)
など、あらゆるシーンで適正トルクを意識することが大切です。
年式ごとの違いも簡潔にまとめましたので、所有しているR1の世代に合わせて確認してみてください。
この記事を「保存版」として、あなたのR1ライフをより安全で快適にしていただければ幸いです。
関連記事
- ヤマハMT-03締め付けトルク一覧表|整備・メンテナンスに役立つ完全データ集
- ヤマハMT-07 締付トルク完全一覧|2014〜2020・2021年以降モデル対応
- ヤマハMT-09締め付けトルク一覧表|整備・メンテナンスに役立つ完全データまとめ
- CBR954RRの締め付けトルク一覧表|整備に役立つ完全版まとめ
- 【保存版】ホンダNS-1 締め付けトルク一覧|整備・レストアに役立つ完全データ
- 【保存版】ホンダCBX400F 締め付けトルク一覧|整備・レストアに必須の完全データ
- NSR50の締め付けトルク一覧まとめ|エンジン・足回り・ブレーキ完全網羅
- HONDAトゥデイ(TODAY)締め付けトルク一覧表【完全版】エンジン・駆動系・足回り・外装まで網羅
- ホンダ タクト 締め付けトルク一覧表【完全版】エンジン・駆動・足回りから外装・小物まで網羅
- ホンダ Dio50 締め付けトルク一覧表【完全版】オイル・駆動系・足回り・ブレーキまで網羅
- ホンダ Dio110 締め付けトルク一覧表【完全版】エンジン・駆動系・足回り・外装まで網羅 ディオ
- ホンダ PCX160 締め付けトルク一覧表【完全版】エンジン・駆動系・足回り・外装まで網羅
今のバイクを乗り換えたいなら高く売るのが先決!
新しいバイクをお得に手に入れるためには、まず今乗っているバイクをできるだけ高く売ることが重要です。買取額が数万円変わるだけで、次のバイク購入費用や装備のグレードアップに回せる金額が大きく変わります。
特におすすめなのが、**「KATIX(カチエックス)」と「バイクランド」**の2社です。
KATIX(カチエックス)

KATIXは、オークション形式で全国のバイク販売店が同時入札する仕組みを採用しています。
1台のバイクに複数の業者が競り合うため、相場以上の高額査定が狙いやすいのが最大の魅力です。
- 複数業者の競争で買取額が上がる
- 最短即日現金化も可能
- 査定・出張費は完全無料
- 売却キャンセル料なし
高く売りたい人はもちろん、「まず相場を知りたい」という場合にもおすすめです。
▶ KATIX(カチエックス)公式サイト
バイクランド

バイクランドは、全国展開する大手バイク買取業者で、年間数万台以上の買取実績を誇ります。安定した査定ノウハウと独自の販売ルートがあり、排気量やジャンルを問わず安定して高額査定を提示してくれるのが強みです。
- 全国対応で出張査定無料
- 大型・旧車・カスタム車でも高値がつきやすい
- 成約後のスピード入金
- 経験豊富な査定士が対応
特に、大型バイクや希少モデルを手放す方には安心感があります。
▶ バイクランド公式サイト
まずはこの2社で査定を受けて比較することで、より高い買取額での乗り換えが実現します。
一括査定のように大量の営業電話に悩まされることもないため、安心して利用できます。