ヤマハYZF-R6を整備・メンテナンスする際に欠かせないのが、各部の締め付けトルク値です。ホイールやブレーキ、サスペンション、エンジン周りのボルトやナットは、規定トルクで締めることで安全性と走行性能が確保されます。
しかし「このボルトはいくつで締めればいいの？」と作業中に迷う方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、**YZF-R6の主要部位ごとの締め付けトルクを徹底的に一覧表にまとめました。**エンジンや駆動系、冷却・吸気系から外装や電装の細部まで幅広く網羅しているので、DIY整備やカスタムの際に役立つはずです。
ヤマハ YZF-R6 締め付けトルク一覧表【保存版】
エンジン本体
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| シリンダーヘッドナット（一次） | 25 |
| シリンダーヘッドナット（本締め） | 42 |
| シリンダーヘッドキャップナット（一次） | 30 |
| シリンダーヘッドキャップナット（本締め） | 60 |
| シリンダーヘッドボルト（M6） | 12 |
| シリンダーヘッドカバーボルト | 12 |
| カムシャフトキャップボルト | 10 |
| カムスプロケットボルト | 24 |
| カムチェーンテンショナーボルト | 12 |
| カムチェーンガイドボルト | 12 |
| コンロッドナット（一次） | 15 |
| コンロッドナット（本締め） | 角度 175–185° |
| クランクシャフトメインベアリングキャップ | 30 |
| クランクポジションセンサー固定 | 7 |
| ニュートラルスイッチ | 12 |
| オイルプレッシャースイッチ | 15 |
| スパークプラグ | 13 |
オイル・潤滑系
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| オイルドレンプラグ | 43 |
| オイルフィルター | 17 |
| オイルポンプ固定ボルト | 10 |
| オイルポンプドライブチェーンガイド | 12 |
| オイルパイプボルト | 12 |
| オイルクーラーユニオンボルト | 63 |
| オイルジェット | 12 |
| オイルパンボルト | 10 |
| オイルレベルゲージ | 10 |
冷却系
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| ウォーターポンプアッシ固定 | 12 |
| ウォーターポンプカバー（M6） | 10 |
| ウォーターポンプインペラーナット | 10 |
| サーモスタットカバー | 12 |
| サーモスタットブラケット | 10 |
| ラジエーターマウントボルト | 12 |
| ラジエーターファン固定ボルト | 7 |
| ラジエーターブラケットボルト | 12 |
| ラジエータードレインコック | 10 |
| ラジエーターブリードボルト | 10 |
| クーラント温度センサー | 15 |
| サーモスイッチ | 15 |
| 各ホースクランプ | 2〜3 |
吸気・燃料系
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| スロットルボディ固定ボルト | 10 |
| スロットルケーブルアジャスターナット | 5 |
| スロットルセンサー（TPS）固定 | 7 |
| 吸気圧センサー固定 | 7 |
| インテークマニホールドボルト | 23 |
| エアクリーナーボックス固定ボルト | 7 |
| エアクリーナーカバー固定ボルト | 7 |
| エアダクト固定 | 7 |
| エアフィルターボルト | 2 |
| インジェクターホルダー | 8 |
| インジェクターフィードパイプ | 8 |
| フューエルレール固定 | 10 |
| フューエルタンク前側 | 20 |
| フューエルタンク後側 | 12 |
| フューエルタンクヒンジ | 12 |
| フューエルタンクラバーマウント | 7 |
| フューエルポンプユニット | 4 |
| フューエルホースカプラー | 10 |
| フューエルリターンラインバンジョー | 25 |
排気系
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| エキゾーストパイプナット | 20 |
| エキゾーストパイプ取付ボルト | 20 |
| サイレンサーマウントステー | 23 |
| サイレンサー連結クランプ | 23 |
| O2センサー | 40 |
| 排気バルブサーボモーター | 10 |
| 排気バルブリンクロッドナット | 7 |
クラッチ・ミッション・駆動
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| クラッチスプリングボルト | 10 |
| クラッチアウターナット | 130 |
| クラッチレリーズ機構ボルト | 12 |
| シフトアームボルト | 10 |
| シフトロッドロックナット（上） | 7 |
| シフトロッドロックナット（下） | 10 |
| シフトフォークシャフトボルト | 23 |
| シフトドラムセンターボルト | 23 |
| ドライブスプロケットナット | 140 |
| リアスプロケットナット | 100 |
| チェーンアジャスターロックナット | 16 |
サスペンション・ステアリング
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| フロントアクスルナット | 91 |
| フロントアクスルピンチボルト | 21 |
| フロントフォークトップキャップ | 17 |
| フロントフォークドレインボルト | 7 |
| フロントフォークボトムケースボルト | 23 |
| フロントフォーククランプ（上） | 26 |
| フロントフォーククランプ（下） | 23 |
| トップブリッジセンターナット | 115 |
| ステアリングステムリングナット（仮締め） | 52 |
| ステアリングステムリングナット（本締め） | 14 |
| スイングアームピボットシャフトナット | 115 |
| リアショック上側マウント | 45 |
| リアショック下側マウント | 45 |
| サスペンションリンクボルト | 59 |
ホイール・ブレーキ
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| フロントブレーキキャリパーボルト | 35 |
| フロントブレーキディスクボルト | 18 |
| リアブレーキキャリパーボルト | 22 |
| リアブレーキディスクボルト | 30 |
| ブレーキホースバンジョーボルト | 30 |
| マスターシリンダークランプボルト | 13 |
| レバーピボットボルト | 8 |
| リアアクスルナット | 110 |
ステップ・ペダル・スタンド
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| ライダーステップブラケット | 28 |
| パッセンジャーステップブラケット | 28 |
| シフトペダルピンチボルト | 12 |
| リアブレーキペダルピボルト | 23 |
| リアブレーキロッドナット | 19 |
| サイドスタンドピボルト | 26 |
| サイドスタンドスイッチ | 7 |
| サイドスタンドスプリングピン | 10 |
| センタースタンド（装備車） | 47 |
| リアスタンドフックボルト | 23 |
外装・カウル
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| サイドカウル固定ボルト | 7 |
| アンダーカウル固定ボルト | 7 |
| フロントフェンダーボルト | 7 |
| リアフェンダーボルト | 12 |
| アンダーカウルジョイント | 7 |
| フロントカウルステー | 10 |
| メーターバイザーボルト | 7 |
| スクリーンボルト | 7 |
| テールカウル固定ボルト | 7 |
| シートカウル固定ボルト | 7 |
| シート固定ボルト | 12 |
電装・小物
| 部位 | 規格 (N·m) |
|---|---|
| ECU固定ボルト | 7 |
| レギュレーター固定ボルト | 10 |
| スターターモーター固定ボルト | 23 |
| ABSセンサー固定ボルト | 7 |
| バッテリーボックス固定 | 7 |
| ホーン固定ボルト | 7 |
| ライセンスランプ固定 | 7 |
| ウィンカー固定ナット | 8 |
| テールランプユニット | 7 |
| ヘッドライトユニット | 23 |
| ミラー固定ナット | 23 |
| リフレクター固定ナット | 7 |
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
関連記事
おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較｜選び方も解説
記事のまとめ
YZF-R6はスーパースポーツらしい高い性能を持つ一方で、適切なトルク管理が非常に重要なバイクです。規定値を守らなければ、走行中のトラブルやボルト破損につながる恐れがあります。
今回ご紹介したトルク一覧表を参考にすれば、
- オイル交換やタイヤ交換などの日常整備
- サスペンションやブレーキ周りのメンテナンス
- マフラーやステップなどのカスタム作業
といった様々な場面で安心して作業ができます。
年式によって細かい差はありますが、本記事の一覧をベースにすれば大きなトラブルを避けられるでしょう。ぜひブックマークして、R6ライフを安全・快適に楽しむための保存版データとしてご活用ください。
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