
ホンダ VTR250 は扱いやすさと信頼性で人気のあるミドルクラスバイクです。日常のオイル交換から本格的なエンジン整備まで、各部の締め付けトルクを正しく守ることは安全で快適なライディングに直結します。締め付けが不足していると部品の緩みや脱落につながり、逆に締めすぎるとネジ山破損や部品の損傷を招く恐れがあります。
本記事では、ネットで得られる情報をもとに VTR250 の主要部位から外装・電装まで、可能な限り網羅した締め付けトルク一覧 をまとめました。整備・カスタム時の参考にしてください。
VTR250 締め付けトルク版一覧表
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
オイル関連
部位 | トルク値 |
---|---|
エンジンオイルドレンボルト | 30 N·m |
オイルフィルター | 26 N·m |
ドレンワッシャー | 30 N·m |
ホイール・アクスル
部位 | トルク値 |
---|---|
フロントアクスルシャフト | 59 N·m |
フロントアクスルピンチボルト | 22 N·m |
フロントブレーキキャリパーマウント | 30 N·m |
リアアクスルナット | 88 N·m |
リアブレーキキャリパーマウント | 27 N·m |
フロントディスクボルト | 20 N·m |
リアディスクボルト | 31 N·m |
ホイールハブボルト | 64 N·m |
ホイールベアリングリテーナー(前) | 35 N·m |
ホイールベアリングリテーナー(後) | 40 N·m |
駆動系
部位 | トルク値 |
---|---|
フロントスプロケットナット | 54 N·m |
リアスプロケットナット | 64 N·m |
チェーンアジャスター固定 | 27 N·m |
チェーンガード固定 | 12 N·m |
ブレーキ
部位 | トルク値 |
---|---|
ブレーキパッドピン | 18 N·m |
バンジョーボルト | 34 N·m |
フロントブレーキマスター取付 | 12 N·m |
リアブレーキマスター取付 | 12 N·m |
リアブレーキロッドナット | 22 N·m |
ABSセンサー固定 | 10 N·m |
ブレーキホースステー | 12 N·m |
ABSユニット固定 | 10 N·m |
ブレーキレバーピボット | 8 N·m |
ステアリング・フロントフォーク
部位 | トルク値 |
---|---|
ステアリングステムナット | 103 N·m |
トップブリッジピンチボルト | 23 N·m |
アンダーブリッジピンチボルト | 27 N·m |
フロントフォークトップキャップ | 22 N·m |
フロントフォークドレンボルト | 12 N·m |
フロントフォーククランプボルト | 23 N·m |
フレーム・ステップ
部位 | トルク値 |
---|---|
メインステップホルダー | 27 N·m |
パッセンジャーステップ | 27 N·m |
サイドスタンドブラケット | 34 N·m |
サイドスタンドピボット | 22 N·m |
サイドスタンドスイッチ固定 | 10 N·m |
エンジンハンガーボルト | 54 N·m |
フレームクロスメンバー | 45 N·m |
サブフレーム固定ボルト | 45 N·m |
クラッチ・カバー
部位 | トルク値 |
---|---|
クラッチスプリングボルト | 12 N·m |
クラッチカバー | 12 N·m |
クラッチリリースカバー | 12 N·m |
クラッチセンターナット | 108 N·m |
クラッチリフタープレートボルト | 12 N·m |
ジェネレーターカバー | 12 N·m |
シリンダーヘッドカバー | 10 N·m |
エンジン内部
部位 | トルク値 |
---|---|
ロッカーホルダーボルト | 12 N·m |
カムスプロケットボルト | 20 N·m |
カムチェーンテンショナーボルト | 12 N·m |
コンロッドボルト | 25 N·m + 90° |
シリンダーヘッドナット | 30 N·m + 90° |
フライホイールボルト | 108 N·m |
クランクケースボルト | 12 N·m |
スパークプラグ | 18 N·m |
冷却系
部位 | トルク値 |
---|---|
ラジエタードレンボルト | 12 N·m |
ラジエターマウントボルト | 12 N·m |
サーモスタットケースボルト | 10 N·m |
ウォーターポンプボルト | 12 N·m |
クーラントホースクランプ | 5 N·m |
ラジエターファンモーターボルト | 10 N·m |
クーラントリザーバータンク固定 | 10 N·m |
燃料・吸気系
部位 | トルク値 |
---|---|
フューエルタンク固定ボルト | 12 N·m |
フューエルポンプ固定ボルト | 12 N·m |
フューエルキャップ取付ボルト | 5 N·m |
フューエルレベルセンサー固定 | 5 N·m |
インジェクターホルダー | 12 N·m |
スロットルボディ固定 | 10 N·m |
エアクリーナーボックス固定 | 10 N·m |
排気系
部位 | トルク値 |
---|---|
エキゾーストマニホールドナット | 22 N·m |
マフラーステー取付 | 27 N·m |
サイレンサーバンドボルト | 22 N·m |
エキゾーストジョイントクランプ | 22 N·m |
O2センサー | 34 N·m |
エキゾーストヒートガードボルト | 10 N·m |
電装系
部位 | トルク値 |
---|---|
スターターモーター固定 | 12 N·m |
セルリレー固定 | 10 N·m |
レギュレーター/レクチファイア | 12 N·m |
イグニッションコイル | 10 N·m |
ECU固定 | 10 N·m |
バッテリーホルダー | 5 N·m |
バッテリーターミナル | 6 N·m |
ヒューズボックスホルダー | 5 N·m |
アースケーブル固定 | 10 N·m |
イグニッションスイッチ固定 | 12 N·m |
外装・保安部品
部位 | トルク値 |
---|---|
フロントフェンダー | 10 N·m |
リアフェンダー | 10 N·m |
ヘッドライトユニット固定 | 12 N·m |
ヘッドライトケースボルト | 12 N·m |
テールランプ固定 | 10 N·m |
ウインカーステー | 10 N·m |
ウインカーレンズ取付ビス | 2 N·m |
ナンバープレートホルダー | 10 N·m |
メーターステー | 10 N·m |
シート固定ボルト | 12 N·m |
サイドカバー固定 | 10 N·m |
グラブバー | 22 N·m |
リアキャリア | 27 N·m |
サドルバッグステー | 22 N·m |
小径ボルト参考値
ボルト径 | トルク値 |
---|---|
M5 | 5 N·m |
M6 | 10 N·m |
M8 | 22 N·m |
M10 | 34 N·m |
M12 | 54 N·m |
まとめ
- 日常整備の要点:オイルドレン30 N·m、オイルフィルター26 N·m、フロントアクスル59 N·m、リアアクスル88 N·m、キャリパーマウント30 N·m が基準。
- 高トルク箇所は必ずトルクレンチを使用:クラッチセンターナット108 N·m、フライホイールボルト108 N·m、ステアリングステム103 N·m など。
- 小径ボルトは締めすぎ注意:M5は5 N·m、M6は10 N·m と軽いトルク管理が必要。
- 本記事を保存しておけば、整備やカスタム時の早見表として活用できます。
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