CB750を整備するときに必ず気になるのが、各部位の正しい締め付けトルクです。ホイールやスイングアームといった高トルクが必要な部分から、シリンダーヘッドやカバー類の繊細なボルトに至るまで、適切なトルク管理は安全走行に直結します。
しかし、年式やモデルによって数値が異なるため「正確なトルク値が分からない」「サービスマニュアルが手元にない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、CB750の主要部位から細部まで、締め付けトルクを可能な限り網羅した一覧表をまとめました。エンジン内部やサスペンション、ブレーキ、スプロケットに至るまで整備に役立つ情報を一括で確認できます。
この記事をブックマークしておけば、日常メンテナンスや部品交換時にきっと役立つはずです。
CB750 締め付けトルク完全版一覧表【保存版】
⚠️ 注意事項
・数値は公式サービスマニュアル・ユーザー実測値・フォーラム情報などをもとにした参考値です。
・モデル・年式（K0〜K8、F、RC42、Hornetなど）により異なる可能性があります。
・安全に直結する作業では必ずトルクレンチを使用し、最終確認はサービスマニュアルで行ってください。
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
🛞 ホイール・アクスル関連
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| フロントアクスルシャフト | 約59 N·m（6.0 kgf·m） | RC42系参考 |
| リアアクスルシャフト | 約88 N·m（9.0 kgf·m） | RC42系参考 |
| Hornet後輪アクスルナット | 98 N·m（72 ft·lb） | CB750A Hornet例 |
| フロントアクスル締め付け順序 | 上→下→ナット | 歪み防止の推奨手順 |
🛑 ブレーキ関連
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| フロントディスクナット | 27–32 N·m（20–24 ft·lb） | SOHC/4フォーラム |
| フロントキャリパーボルト | 約31 N·m | CAモデル |
| リアキャリパーボルト | 約34 N·m | 一般参考 |
🔧 エンジン関連
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| オイルドレンボルト | 30 N·m | RC42マニュアル |
| オイルフィルター | 26 N·m | RC42マニュアル |
| スパークプラグ | 18 N·m | 一般値 |
| コンロッドボルト | 約20 N·m（14.5 ft·lb） | フォーラム |
| クランクケース（6 mm小ボルト） | 9–13 N·m（6.5–9.5 ft·lb） | 実測値 |
| クランクケース（大ボルト） | 22–25 N·m（16.6–18.1 ft·lb） | 実測値 |
| プライマリードライブナット | 80–100 N·m | 高トルク部位 |
🏍 シリンダーヘッド／バルブカバー
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| シリンダーヘッドナット（大） | 約23 N·m（17 ft·lb） | フォーラム |
| シリンダーヘッド6 mmボルト | 約8 N·m（6 ft·lb） | FSM指定 |
| バルブカバーボルト | 9 N·m（6–9 ft·lb） | FSM値 |
| バルブカバーボルト（動画推定） | 18 N·m（13 ft·lb）、ロッカーシャフト6 N·m | 動画例 |
| カムギアボルト | 約14 N·m（11 ft·lb） | 動画例 |
| カムシャフト保持ボルト | 約12 N·m（9 ft·lb） | 動画例 |
| カムタワーボルト | 約12 N·m（9 ft·lb） | 動画例 |
🔩 ステアリング／サスペンション
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| ステアリングステムナット | 77–118 N·m（58–87 ft·lb） | 1979–83マニュアル |
| トリプルクランプピンチボルト | 23–44 N·m | 一般値 |
| フロントフォークトップキャップ | 27–32 N·m（20–24 ft·lb） | マニュアル |
| スイングアームピボットボルト | 58–87 N·m（8.0–12.0 kg·m） | FSM値 |
| スイングアームナット | 約54 N·m（40 ft·lb） | 実測例 |
⚙️ ドライブ系（チェーン・スプロケット）
| 部位 | トルク値（N·m / ft·lb） | 備考 |
|---|---|---|
| リアスプロケットナット | 22–27 N·m（16–20 ft·lb） | CB550参考値 |
🛠️ 汎用ボルト径の標準トルク（参考）
| ボルト径 | トルク値（N·m / ft·lb） |
|---|---|
| 5 mm | 約5 N·m（3.5 ft·lb） |
| 6 mm | 約10 N·m（7.2 ft·lb） |
| 8 mm | 約22 N·m（16 ft·lb） |
| 10 mm | 約35 N·m（25 ft·lb） |
| 12 mm | 約55 N·m（40 ft·lb） |
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まとめ
- CB750の締め付けトルクは ホイール・ステアリング・スイングアームの高トルク部位 と、ヘッドカバーやケースの低トルク部位で大きく異なる。
- モデル・年式ごとに若干の差異があるため、必ず自分の年式のサービスマニュアルを併用することが重要。
- 本表を活用しつつ、整備初心者は特に トルクレンチを使用し「締めすぎ」と「緩み防止」に注意してください。
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