
「ホンダ純正オイルのG1・G2・G3って、何が違うの?」
バイクのオイル交換時にこのような疑問を感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
特にホンダ車オーナーの中には、G1・G2・G3の表記を見て「どれを選べばいいのかわからない」と感じている方も少なくありません。実際、それぞれのオイルはベースオイルの種類・粘度・対応車種・価格帯・クラッチとの相性などに明確な違いがあります。
本記事では、
- G1・G2・G3の具体的な違いと性能比較
- どのバイクにどのグレードが最適か?車種別のおすすめ
- オイル選びで失敗しないための注意点と実例
までを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
「自分のバイクにはどのオイルがベストなのか知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください!
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ホンダ純正オイルG1・G2・G3とは?それぞれの用途と特徴を解説
ホンダが販売している純正バイク用エンジンオイルには、G1・G2・G3という3つのグレードが用意されています。
これらはどれも「Honda Ultra」シリーズに分類されており、バイクのタイプや走行シーンに応じて最適な選択ができるよう設計されています。
名前だけでは違いが分かりにくいですが、実は粘度、ベースオイルの種類、性能、対応車種などに明確な違いがあるため、愛車に合ったオイルを選ぶことが非常に重要です。
G1・G2・G3の違いを一言で説明すると?
ホンダ純正オイルの「G」グレードは、主に性能と価格帯の段階を示すものです。
ざっくり一言でまとめると、以下のようなイメージになります。
- G1:エントリーモデル(鉱物油)
→ 街乗りスクーターや50cc〜125ccにおすすめ。コスパ重視。 - G2:中間グレード(部分合成油)
→ スーパーカブやレブル250など、クラッチ操作があるバイクに向いています。 - G3:高性能グレード(100%化学合成油)
→ CBR250RRなどの高回転スポーツバイク向け。走行性能重視。
このように、G1→G3になるにつれて潤滑性能や高温耐久性がアップし、価格も高くなるのが基本構造です。
各グレードの想定バイクタイプと使用シーン
ホンダオイルのグレードは、どのようなバイクにどう使うかを前提に設計されています。
グレード | 主な対応バイク | 使用シーンの想定 |
---|---|---|
G1 | Dio110、タクト、リード125など | 通勤・買い物などの日常使い |
G2 | スーパーカブ110、グロム、レブル250等 | ツーリングやワインディングを含む街乗り全般 |
G3 | CBR250RR、CBR500R、GB350等 | スポーツ走行・長距離ツーリング・高回転域の使用時 |
同じ125cc〜250ccクラスのバイクでも、乗り方や求める性能に応じて最適なグレードが変わるという点に注意が必要です。
ホンダ公式が推奨するオイル分類の基準とは
ホンダは公式に「バイクの種類や使用環境に合わせたオイル選びを推奨」しており、整備マニュアルや販売店でもG1〜G3の適合を案内しています。
例えば、ホンダのサービスマニュアルでは以下のように記載されていることがあります:
- スクーター(AT)にはG1を基本推奨(JASO MB)
- クラッチ付きのミッションバイクにはG2以上(JASO MA)を推奨
- 高回転域での使用が多い車両にはG3が最適
また、走行距離が多くなるバイクや、高温になる環境下での使用が多い場合は、より高グレードのオイルが劣化しにくく安心です。
このように、G1・G2・G3は名前だけでは分かりにくいものの、しっかりと意味があり、性能や使用目的に合わせた設計がなされています。
自分のバイクにとってベストな選択ができるよう、次のセクションではそれぞれの性能をより具体的に比較していきます。
G1・G2・G3を性能で比較|粘度・ベースオイル・添加剤の違い
ホンダ純正オイルのG1・G2・G3は、見た目は似ていても性能・成分・粘度特性が大きく異なります。
このセクションでは、エンジン保護性能やクラッチフィーリング、価格帯に影響する主な違いを比較していきます。
G1は鉱物油ベース|10W-30でスクーター向けに最適化
**G1(ウルトラG1)**は、鉱物油をベースにしたエントリーグレードのエンジンオイルです。
- 粘度:10W-30(低温でも始動性がよく、燃費にも貢献)
- ベースオイル:鉱物油
- 規格:JASO MB(クラッチ非対応)
- 用途:Dio110、タクト、リード125などATスクーター
G1はクラッチを使わないスクーター向けとして設計されており、低価格かつ必要十分な潤滑性能が特徴です。
高回転や負荷の高い走行には不向きですが、街乗り中心でオイル交換をこまめに行う人にはコスパに優れた選択肢です。
G2は部分合成油|クラッチ対応で125cc〜250ccクラスに最適
**G2(ウルトラG2)**は、**鉱物油と化学合成油をブレンドした“部分合成油”**で、ミッション付きのバイク向けに最適化されています。
- 粘度:10W-30
- ベースオイル:部分合成油(セミシンセティック)
- 規格:JASO MA(クラッチ対応)
- 対応バイク例:スーパーカブ110、レブル250、CB125R、モンキー125
G2はシフトフィーリングがなめらかになりやすく、エンジン保護性能も高め。
頻繁に街乗り+ツーリングを楽しむようなライダーにとって、耐久性とコストのバランスが非常に優れたオイルです。
G3は100%化学合成油|高回転エンジンとスポーツ走行に対応
**G3(ウルトラG3)は、ホンダ純正オイルの中でも最高性能を誇る100%化学合成油(フルシンセティック)**です。
- 粘度:10W-30
- ベースオイル:化学合成油
- 規格:JASO MA
- 対応バイク例:CBR250RR、GB350、CB500X、CL250など
G3の最大の特長は、高回転・高温域での潤滑性能・保護性能の高さ。
スポーツ走行や長距離高速ツーリング、エンジンの回転数が高くなるバイクには安心感が段違いです。
クラッチのつながりもスムーズで、シフト操作の快適さやエンジンの吹け上がりにも違いを感じやすいオイルとなっています。
性能比較まとめ表(G1・G2・G3)
項目 | G1 | G2 | G3 |
---|---|---|---|
ベースオイル | 鉱物油 | 部分合成油 | 100%化学合成油 |
粘度 | 10W-30 | 10W-30 | 10W-30 |
対応規格 | JASO MB(AT用) | JASO MA(MT用) | JASO MA(高性能MT用) |
推奨車種 | スクーター | カブ・125〜250ccバイク | CBR250RR・GB350・500cc以上等 |
特徴 | 価格重視・必要最低限 | バランス良好・街乗り全般向け | 高性能・長距離・高回転対応 |
G1・G2・G3は同じホンダ製オイルでも明確な“立ち位置”の違いがあります。
次のセクションでは、これらのオイルが**どんな車種に合うのか?**を、車種別に詳しく解説していきます。
G1・G2・G3はどんなバイクに合う?車種別おすすめの選び方
ホンダ純正オイルのG1・G2・G3は、それぞれに向いているバイクのタイプや使い方があります。
「どれを選べばいいのか?」と悩んだときは、車種や排気量、走行スタイルを基準に選ぶのが失敗しにくいポイントです。
ここでは、代表的なホンダ車種を例に、それぞれのオイルが最適な理由とおすすめポイントを詳しく解説します。
G1がおすすめなのは?通勤用スクーターや50cc〜125ccクラス
ウルトラG1は、経済性重視で高性能を求めすぎないスクーターにぴったりです。
■ おすすめ車種:
- Dio110/タクト/リード125/PCX125/ジョルノなど
- ホンダの原付二種クラスのスクーター
■ 向いている使い方:
- 通勤や買い物、近所への移動が中心の人
- 年間走行距離が少なく、こまめにオイル交換するスタイル
✅ メリット:
- コストパフォーマンスが高く、1Lあたり1,000円前後で購入可能
- オイル消費が多めのバイクでも気軽に交換しやすい価格帯
G2が向いているのは?スーパーカブ・レブル250・CB125Rなど
ウルトラG2は、ミッション車やクラッチ付き小排気量車向けの万能オイルです。
■ おすすめ車種:
- スーパーカブ110/クロスカブ110/レブル250/モンキー125
- CB125R/CT125ハンターカブ/グロムなど
■ 向いている使い方:
- 通勤・通学+週末のツーリング
- ミッション付きの125cc〜250ccバイクで快適な走行を求める方
✅ メリット:
- クラッチ対応でシフト操作がスムーズ
- 日常使い〜ツーリングまで幅広く対応できる安心感
- オイル交換サイクルをやや延ばしたい人にも◎
G3が真価を発揮するのは?CBR250RRやスポーツ系・大型バイク
ウルトラG3は、高回転型のエンジンやスポーツ走行・長距離に適した高性能オイルです。
■ おすすめ車種:
- CBR250RR/CB500X/CL250/GB350/CBR500R/CB650R
- その他、回転数が高めのバイクやハイスペック車
■ 向いている使い方:
- ワインディングやスポーツ走行が好きな方
- 夏場や長距離でもエンジン性能をしっかり維持したい人
- エンジン保護性能やフィーリングを重視するライダー
✅ メリット:
- 高温時の油膜保持力が強く、エンジンの寿命を延ばす
- フィーリングの向上やクラッチのつながりが滑らかになるなど、体感できる差が出やすい
G1・G2・G3は「高いオイルほど良い」と一概には言えません。
あなたのバイクの特性と使い方に合ったグレードを選ぶことが何より大切です。
次のセクションでは、実際によくある疑問——「入れ替えても大丈夫?」「グレードアップの意味は?」といったG1〜G3の使い分けに関する注意点を解説していきます。
よくある疑問を解決!G1・G2・G3の使い分けと注意点
「G1からG3に変えても大丈夫?」「高グレードのオイルを入れれば良くなる?」
ホンダ純正オイルのG1・G2・G3を使い分けるうえで、よくある疑問や誤解も多く見られます。
ここでは、実際のユーザーの声や整備現場でよく聞かれる質問をもとに、正しい使い分けと注意点を整理していきましょう。
G3をスーパーカブやPCXに入れてもOK?
結論から言うと、G3をスーパーカブやPCXに入れても問題はありません。
ただし、いくつか知っておきたいポイントがあります。
■ メリット:
- シフト操作が滑らかになる(特にMT車)
- 夏場や長距離での耐久性が向上
- エンジン内部の汚れが出にくくなる傾向
■ 注意点:
- オーバースペックになる可能性あり(性能を活かしきれない)
- オイル代がG1の2〜3倍程度になることも
- 年間走行距離が少ない場合、コスパはやや悪く感じることも
特に原付スクーターなどにG3を使うと「贅沢すぎる」と思われるかもしれませんが、トラブルが起きるわけではないので、安心して使用可能です。
G2やG3からG1に戻しても問題ない?
「前回G2を使っていたけど、今回はG1でいいかな?」
このようなグレードダウンの相談もよくあります。
■ 基本的には戻しても問題なし。
ただし、以下のようなケースではグレードダウンしない方が快適性・安全性の面で良いことがあります。
- 高回転・高温での走行が多いバイク
- シフトフィーリングやクラッチの繋がりに敏感なライダー
- 長距離ツーリングやスポーツ走行を楽しむ人
また、G1は**JASO MB規格(スクーター向け)**なので、ミッションバイクには不向きです。
**G2・G3はJASO MA規格(クラッチ対応)**なので、ミッション車ならG2以上を選ぶのが基本です。
高性能オイル=すべてのバイクにベストとは限らない
意外と多い誤解が「G3が一番高性能だから、どのバイクにも最適」という思い込みです。
確かに性能は高いですが、**あくまで「適材適所」**が鉄則。
■ G3が活かせる場面:
- エンジンを頻繁に高回転まで回す
- 長距離・高負荷での使用が多い
- 高年式・高性能なスポーツモデル
■ 逆に合わないケース:
- 通勤・通学のみのスクーター
- 年間走行距離が少ない
- 旧型車でオイル消費が多い(G3は粘度が低め)
高性能すぎるオイルは、エンジンの「隙間」に合わずオイル消費が増えることもあるので、自分のバイクの状態と用途を踏まえて選ぶことが大切です。
次のセクションでは、これまでの情報を踏まえた「車種別おすすめオイル早見表」をご紹介します。
「結局、どれを選べばいいの?」と迷った方は必見です。
車種別おすすめホンダオイル早見表|選び方の最終チェック
ここまでG1・G2・G3の違いや性能、使い分けについて解説してきましたが、
「自分のバイクには結局どれが合うの?」と悩んでしまう方も多いはずです。
このセクションでは、**代表的なホンダ車種をもとに、オイル選びの最終判断に役立つ“早見表”**をご紹介します。
ホンダ主要バイク別|おすすめオイル早見表
バイク名 | 排気量 | 特徴 | おすすめグレード | 理由 |
---|---|---|---|---|
Dio110/リード125 | 110〜125cc | スクーター(AT) | G1 | 低価格で十分。JASO MB対応でクラッチなし向き |
スーパーカブ110/クロスカブ | 110cc | クラッチ付きミッション車 | G2 | JASO MA対応。街乗り+ツーリングにも対応 |
グロム/モンキー125 | 125cc | クラッチ付きスポーツミニ | G2 | 回すこともあるため、部分合成油のG2が最適 |
レブル250/CB250R | 250cc | ツーリング&街乗り両用 | G2またはG3 | 高速多用ならG3、街乗りメインならG2でもOK |
CBR250RR | 250cc | 高回転スポーツエンジン | G3 | 高温耐久性・潤滑性が重要。フルシンセ推奨 |
GB350/CL250 | 250〜350cc | 中低速トルク重視ネオクラシック | G2またはG3 | 静粛性・耐久性重視ならG3。街乗り中心ならG2でも可 |
CB400SF/CB500X | 400〜500cc | 高速・長距離ツーリング用途 | G3 | エンジン負荷が大きく、高性能オイルが安心 |
CB650R/NC750X | 650〜750cc | 高速巡航・大型バイク | G3 | フルシンセが基本。油膜保持力の高いG3を推奨 |
こんな人にはこのグレードが合う!
- 通勤・街乗りだけなら → G1(スクーター中心)
- ミッション車で費用を抑えつつ性能も欲しい → G2
- スポーツ走行・ロングツーリング・高回転を使う → G3
「高ければいい」「安ければ悪い」ではなく、用途・バイク特性・自分の使い方で選ぶことが、最適なオイル選びのポイントです。
次のセクションでは、この記事の総まとめとして「ホンダオイル選びで失敗しないためのポイント」を整理します。
まとめ|ホンダオイルG1・G2・G3の違いと選び方のポイント
ホンダ純正オイルG1・G2・G3には、それぞれ明確な性能差と用途の違いがあります。
どれを選ぶかで、エンジンの寿命やフィーリング、燃費にまで影響が出ることもあるため、正しい理解と選択がとても重要です。
オイル選びで失敗しないための3つのポイント
✅ 1. バイクの種類(AT/MT)を確認する
- スクーター(AT車)→ G1(JASO MB)
- クラッチ付きバイク(MT車)→ G2 or G3(JASO MA)
✅ 2. 走行スタイルとエンジン負荷に合わせる
- 街乗りメイン・短距離中心 → G1またはG2
- 長距離・高速・スポーツ走行多め → G3
✅ 3. メンテナンス頻度・予算とのバランスを見る
- G3は高性能だが価格も高め。「必要な性能」を見極めることが大切。
- こまめな交換を前提にするなら、安価なオイルでも効果的に使える。
G1・G2・G3は「性能・価格・用途」のバランスで選ぶ
グレード | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
G1 | 鉱物油・安価・スクーター向け | 通勤メイン・費用重視・原付二種ユーザー |
G2 | 部分合成・バランス型 | 街乗り+ツーリング・クラッチ付きバイク・初心者 |
G3 | 化学合成・高性能・高価格 | 高速走行・高回転使用・スポーツ車オーナー |
バイクの性能を最大限に引き出し、エンジンを長く守るためには、“ちょうどいいオイル”を選ぶことが一番の正解です。
「なんとなく選ぶ」ではなく、この記事を参考に、あなたのバイクとライフスタイルに合ったホンダオイルを選んでくださいね。
よくある質問(Q&A)
Q1. ホンダのG1・G2・G3はどれが一番いいのですか?
A. 一概にどれが「一番」とは言えません。それぞれのバイクや使用目的に応じて最適なオイルが異なります。通勤中心ならG1、クラッチ付きならG2、高性能を求めるならG3がおすすめです。
Q2. スーパーカブにG3を入れても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。ただしG3は高性能ゆえにオーバースペック気味な場合もあります。コストとのバランスを考えるなら、G2でも十分です。
Q3. G2やG3を入れたあとにG1に戻してもいいですか?
A. 基本的には問題ありませんが、クラッチ付きバイクではJASO MA規格のG2またはG3を推奨します。G1(MB)はスクーター用です。
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