
ヤマハFZR750は、1980年代後半に登場したレーサーレプリカ直系のスーパースポーツモデルです。高回転エンジンと剛性の高いアルミフレームを備え、今なおファンに愛され続けています。
しかし、旧車となった今、整備やメンテナンスを自分で行うライダーも多いのではないでしょうか。そこで重要になるのが「締め付けトルク」です。トルク管理を誤ると、ボルトの破損や緩みだけでなく、走行中の重大なトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、FZR750の外装・足回り・エンジン・駆動系・電装系といった各部位の締め付けトルクをカテゴリ別に整理しました。DIY整備にも、プロのメンテナンスにも役立つ保存版データとしてご活用ください。
ヤマハFZR750 締め付けトルク一覧表
フロント周り(ホイール/サスペンション/ブレーキ)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
フロントアクスルナット | M16〜M20級 | 80 |
アクスルピンチボルト(左右) | M8 | 23 |
トップブリッジ・フォーククランプ | M8 | 23 |
ロアブリッジ・フォーククランプ | M8 | 26 |
ステムナット(トップ) | M22級 | 110 |
フロントブレーキキャリパー取付 | M10 | 35 |
フロントディスクローターボルト | M8 | 22 |
ブレーキブリードスクリュー | M8 | 6 |
バンジョーボルト(ユニオン) | M10 | 26 |
マスターシリンダークランプ | M6 | 9 |
フロントフェンダー取付 | M6 | 6 |
フォークトップキャップ | — | 25 |
フォークドレンボルト | M6 | 6–8 |
リヤ周り(ホイール/リンク/ブレーキ)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
リヤアクスルナット | M20級 | 110 |
スイングアーム ピボットシャフト | M14級 | 90 |
リヤショック上側マウント | M10 | 40 |
リヤショック下側マウント | M10 | 40 |
リンクプレート/リレーアーム | M10 | 40 |
リヤブレーキキャリパー取付 | M10 | 35 |
リヤディスクローターボルト | M8 | 22 |
トルクロッド固定(ブレーキ) | M8 | 28 |
チェーンアジャスター固定ナット | M8 | 20 |
フレーム/ステップ
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
エンジンマウント(前/後上) | M10 | 55 |
エンジンマウント(後下) | M8 | 45 |
ステップブラケット(メイン) | M10 | 33 |
リヤステップホルダー | M8 | 20 |
フレーム後端(シートレール上) | M10 | 64 |
フレーム後端(シートレール下) | M12 | 88 |
エンジン外部(整備頻出)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
エンジンオイル・ドレンプラグ | — | 43 |
オイルフィルターカバー | — | 15 |
タペット(ヘッド)カバーボルト | M6 | 10 |
クランクケース結合ボルト | M8 | 24 |
クランクケース結合ボルト | M6 | 12 |
ウォーターポンプハウジング | M6 | 10 |
サーモスタットカバー | M6 | 10 |
ラジエーターマウント | M6 | 10 |
ラジエータードレン | — | 7 |
エンジン内部(主要)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
シリンダーヘッドボルト(大) | M10 | 40 |
シリンダーヘッドボルト(小) | M8 | 23 |
カムキャップボルト | M6 | 10 |
カムスプロケットボルト | M8 | 23 |
クラッチスプリングボルト | M6 | 10 |
クラッチセンターナット | M22級 | 100 |
フライホイールナット | M16級 | 100 |
スパークプラグ(M12タイプ想定) | — | 18 |
駆動系(スプロケット/カバー)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
フロントスプロケットナット | M20級 | 90 |
リヤスプロケットナット | M10 | 65 |
スプロケットホルダーボルト | M8 | 32 |
フロントスプロケットカバー | M6 | 10 |
チェーンスライダー取付 | M6 | 10 |
吸排気・燃料・冷却
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
エキゾーストフランジナット | M8 | 22 |
サイレンサーマウントボルト | M8 | 23 |
インテークマニホールド取付 | M6 | 10 |
キャブバンド(インシュレータ) | — | 3 |
キャブドレンボルト | M5 | 2–3 |
フューエルタンク固定ボルト | M8 | 20 |
フューエルコック取付 | M6 | 8–10 |
フューエルセンダーユニット | M6 | 8–10 |
フューエルホースクランプ | — | 2 |
ハンドル・操作系
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
ハンドルクランプボルト | M8 | 23–26 |
ハンドルバーエンド | — | 25 |
ブレーキレバーホルダー | M6 | 8–10 |
クラッチレバーホルダー | M6 | 8–10 |
スロットルケーブルステー | M5〜M6 | 6–8 |
スイッチボックス固定 | M5 | 6 |
チョークレバーステー | M5〜M6 | 6–8 |
スタンド・ペダル
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
サイドスタンドピボット | M8 | 23 |
サイドスタンドスイッチ | M6 | 6–8 |
センタースタンドピボット | M10 | 45 |
チェンジペダルクランプ | M6 | 10–12 |
リヤブレーキペダルピボット | M8 | 23 |
外装・カウル・ステー類
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
フロントカウル固定 | M6 | 4–6 |
サイドカウル固定 | M6 | 4–6 |
アンダーカウル固定 | M6 | 4–6 |
スクリーン固定 | M5 | 2–3 |
シート固定ボルト | M8 | 20 |
サイドカバー固定 | M6 | 6–8 |
ヘルメットホルダー | M6 | 8–10 |
チェーンガード取付 | M6 | 8–10 |
ラゲッジフック | M8 | 20 |
電装・保安部品
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
バッテリーターミナルボルト | M6 | 3–4 |
バッテリーホルダー | M6 | 8–10 |
イグニッションコイル取付 | M6 | 10 |
CDI/イグナイタ固定 | M6 | 6–8 |
レギュレーター/レクチファイヤ | M6 | 10 |
スターターモーター取付 | M8 | 20 |
スターターリレー端子ナット | M6 | 6 |
ヘッドライトユニット固定 | M6 | 8–10 |
テールランプユニット | M6 | 8–10 |
ウインカーステー | M6 | 8 |
ホーン固定 | M6 | 8–10 |
メーターステー | M6 | 10 |
メーターユニット取付 | M6 | 8–10 |
インジケーターパネル固定 | M5 | 6–8 |
ナンバープレートホルダー | M6 | 6–8 |
クーリングファン周辺(装備車)
部位 | ねじ径 | 規定トルク |
---|---|---|
ラジエーターファンモーターボルト | M6 | 10 |
ファンスイッチ(サーモスイッチ) | — | 15 |
汎用:バイクのねじ径別トルク目安(標準値)
ねじ種別 | 目安トルク (N·m) |
---|---|
M5ボルト/ナット | 4.9 |
M6ボルト/ナット | 9.8 |
M8ボルト/ナット | 21.6 |
M10ボルト/ナット | 34.3 |
M12ボルト/ナット | 53.9 |
M5ビス | 3.9 |
M6ビス・六角穴付 | 8.8 |
M6フランジボルト/ナット | 11.8 |
M8フランジボルト/ナット | 26.5 |
M10フランジボルト/ナット | 39.2 |
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
関連記事
おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較|選び方も解説
まとめ
FZR750は今や希少な存在ですが、適切な整備を行えば長く乗り続けることができる名車です。そのためには、ボルト・ナットを正しいトルクで締めることが不可欠です。
この記事で紹介した締め付けトルク一覧表は、外装や足回りからエンジン内部、駆動系、電装系まで幅広く網羅しています。特に、アクスルシャフトやシリンダーヘッド、クラッチセンター、スプロケットなどは必ずトルクレンチを使って正確に管理することをおすすめします。
愛車を安心して走らせるために、この記事を整備マニュアル代わりにぜひブックマークしてお使いください。
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