
ヤマハYZF-R3を整備・メンテナンスする際に欠かせないのが、各部の締め付けトルク値です。
ホイールやブレーキ、サスペンション、エンジンカバーや駆動系のナットなどは、規定トルクで締めることで安全性や性能を最大限に発揮できます。
しかし、「このボルトはいくつで締めればいいの?」と迷う場面は多いもの。
本記事では、YZF-R3の各部位別に締め付けトルクを徹底的に一覧化しました。エンジン・冷却系・吸気/排気・電装・外装まで幅広くカバーしているので、DIY整備から本格的なカスタムまで安心して活用できます。
ヤマハ YZF-R3 締め付けトルク一覧表【保存版】
エンジン本体・補機
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
シリンダーヘッドナット | 42 |
シリンダーヘッドカバーボルト | 10 |
カムシャフトキャップボルト | 10 |
カムスプロケットボルト | 20 |
タイミングチェーンテンショナーボルト | 10 |
テンショナーキャップボルト | 7 |
クランクケース分割ボルト(M8) | 23 |
クランクケース分割ボルト(M6) | 10 |
クランクメインベアリングキャップ | 30 |
コンロッドナット | 20 → 90°増し締め |
ミッションアウトプットシャフトナット | 90 |
ミッションインプットシャフトナット | 70 |
シフトフォークシャフトボルト | 23 |
シフトドラムセンターボルト | 23 |
バランサーギアナット | 75 |
スターターモーター固定ボルト | 23 |
スターターモーターカバー | 7 |
ジェネレーターカバー | 10 |
クラッチカバー | 10 |
シフトカバー | 10 |
オイルポンプカバー | 10 |
オイルストレーナーカバー | 10 |
オイル・潤滑系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
オイルドレンボルト | 20 |
オイルフィルター | 17 |
オイルチェックボルト | 15 |
オイルジェット | 12 |
オイルパンボルト | 10 |
冷却系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ラジエーターマウントボルト | 12 |
ラジエーターファン固定ボルト | 7 |
ラジエーターブラケット | 12 |
ラジエータードレインコック | 10 |
ラジエーターブリードボルト | 10 |
クーラント温度センサー | 15 |
サーモスタットカバー | 10 |
サーモスイッチ | 15 |
ウォーターポンプカバー | 10 |
ウォーターポンプインペラーナット | 10 |
ウォーターパイプフランジボルト | 10 |
クーラントホースクランプ | 2〜3 |
吸気・燃料系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
スロットルボディ固定ボルト | 10 |
スロットルケーブルアジャスターナット | 5 |
スロットルセンサー(TPS)固定 | 7 |
吸気温センサー固定 | 7 |
インテークマニホールドボルト | 23 |
エアクリーナーボックス固定 | 7 |
エアクリーナーカバー固定 | 7 |
エアクリーナーインナーパネル | 7 |
フューエルレール固定 | 10 |
インジェクターフィードパイプ | 8 |
インジェクターホルダー | 8 |
フューエルタンク前側 | 20 |
フューエルタンク後側 | 12 |
フューエルタンクヒンジ | 12 |
フューエルタンクブラケット | 12 |
フューエルタンクラバーマウント | 7 |
フューエルポンプユニット | 4 |
フューエルホースカプラー | 10 |
フューエルリターンラインバンジョー | 25 |
排気系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
エキゾーストパイプナット | 15 |
エキゾーストパイプ固定ボルト | 20 |
マフラー取付ボルト | 20 |
サイレンサー固定ブラケット | 23 |
サイレンサー連結クランプ | 23 |
サイレンサーエンドカバー | 7 |
エキゾーストヒートガードボルト | 7 |
O2センサー | 40 |
排気バルブサーボモーター | 10 |
排気バルブリンクロッドナット | 7 |
クラッチ・駆動系
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
クラッチボスナット | 100 |
クラッチスプリングボルト | 10 |
クラッチカバー固定ボルト | 10 |
クラッチレリーズ機構ボルト | 12 |
ドライブスプロケットナット | 75 |
ドライブスプロケットカバー | 10 |
リアスプロケットナット | 68 |
リアスプロケットスタッドボルト | 27 |
チェーンアジャスターロックナット | 16 |
シフトアームピンチボルト | 14 |
シフトロッドロックナット | 7 |
シフトペダルボルト | 30 |
サスペンション・ステアリング
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
フロントアクスルナット | 52 |
アクスルピンチボルト | 21 |
フロントフォークキャップボルト | 23 |
フロントフォークドレインボルト | 7 |
フロントブレーキキャリパーボルト | 35 |
フロントディスクボルト | 23 |
トップブリッジナット | 95 |
アッパーブラケットピンチボルト | 21 |
ロアブラケットピンチボルト | 30 |
ステアリング下側リングナット(仮締め) | 48 |
ステアリング下側リングナット(本締め) | 18 |
スイングアームピボットシャフトナット | 115 |
リアショック上側 | 58 |
リアショック下側 | 58 |
サスペンションリンクプレート(前後) | 59 |
ホイール・ブレーキ
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
フロントブレーキホースバンジョーボルト | 29 |
リアブレーキホースバンジョーボルト | 29 |
フロントブリードスクリュー | 6 |
リアブリードスクリュー | 6 |
リアアクスルナット | 57 |
リアブレーキキャリパーボルト | 31 |
リアディスクボルト | 23 |
リアブレーキパッドピン | 27 |
リアブレーキスプリングピン | 10 |
ステップ・ペダル・スタンド
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ライダーステップブラケット | 30 |
パッセンジャーステップブラケット | 28 |
リアブレーキマスター固定 | 23 |
リアブレーキペダルピボルト | 30 |
リアブレーキロッドナット | 19 |
サイドスタンドピボルト | 26 |
サイドスタンドスイッチ | 7 |
サイドスタンドスプリングピン | 10 |
センタースタンドボルト(装備車) | 47 |
センタースタンドスプリングピン | 10 |
スイングアームスタンドフック | 23 |
外装・カウル類
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
フロントカウルステー | 10 |
フロントフェンダーボルト | 7 |
リアフェンダーボルト | 12 |
サイドカウルボルト | 7 |
アンダーカウルボルト | 7 |
アンダーカウルジョイントボルト | 7 |
インナーカウルボルト | 7 |
メーターパネル固定 | 7 |
メーターバイザーボルト | 7 |
スクリーンボルト | 7 |
テールカウル固定ボルト | 7 |
シートカウル固定ボルト | 7 |
シート固定ボルト | 12 |
グラブバー(装備車) | 28 |
ナンバープレートホルダー | 12 |
リフレクター固定ナット | 7 |
ライセンスランプブラケット | 7 |
電装・小物
部位 | 規格 (N·m) |
---|---|
ECU固定ボルト | 7 |
レギュレーター固定ボルト | 10 |
リレー固定ボルト | 7 |
ヒューズボックス固定 | 7 |
ワイヤーハーネスクランプ | 5 |
ホーン固定ボルト | 7 |
ABSセンサー固定ボルト(前後) | 7 |
ヘッドライトユニット固定 | 23 |
ヘッドライトステー | 10 |
メーターユニット固定 | 7 |
ウィンカー固定ナット | 8 |
ウィンカーブラケット | 8 |
テールランプ固定ボルト | 7 |
テールランプブラケット | 7 |
ミラー固定ナット | 23 |
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
関連記事
おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較|選び方も解説
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記事のまとめ
YZF-R3は扱いやすいミドルクラススポーツバイクですが、正しいトルク管理がライディングの安全性に直結します。緩すぎれば部品の脱落や異音、強すぎればネジ山破損やパーツ変形のリスクがあり、適切な締め付けが必要です。
今回の一覧表を参考にすれば、
- 日常メンテ(オイル交換・ブレーキパッド交換など)
- カスタム作業(マフラー交換・ステップ取り付けなど)
- 定期点検や法定点検時の確認
といった場面で、迷わず規定値に従った作業が可能になります。
ぜひこの記事をブックマークし、YZF-R3の整備・カスタムを安全に楽しむための保存版データとしてご活用ください。
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