
ホンダNSR50を整備する際に、必ず気になるのが「各部の締め付けトルク」です。
シリンダーヘッドやクラッチ、アクスルナットなど、適正トルクを守らないとトラブルや破損につながることも少なくありません。
しかし、サービスマニュアルを持っていないと必要な数値が分からず、ネット上を探し回る方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、NSR50の主要部品の締め付けトルクを一覧表にまとめました。
初心者の方はもちろん、リフレッシュ整備やレストアを進めている方も、この一覧を参考にすれば効率的かつ安心して作業を進められます。
整備の際にぜひご活用ください。
Honda NSR50 締め付けトルク一覧表
部位・用途 | 締め付けトルク |
---|---|
シリンダーヘッド | 2.0 kg·m |
シリンダーサイドボルト(S-Stage KIT) | 1.2 kg·m |
クランクケースボルト | 1.0 kg·m |
クランクケース右カバー取付ボルト | 1.0 kg·m |
クラッチカバー取り付け | 1.0 kg·m |
クラッチセンター ナット(前期型) | 5.5 kg·m |
クラッチセンター ナット(後期型/MINI) | 7.5 kg·m |
クランクシャフト ナット | 5.0 kg·m(49 N·m) |
プライマリドリブンギア ナット(別表) | 1.3 kg·m |
プライマリドリブンギア ナット(クランク側) | 5.0 kg·m |
フライホイール取り付けナット | 5.5 kg·m |
ドライブスプロケット取付ボルト | 1.3 kg·m |
リアスプロケットナット | 5.5 kg·m |
リアスプロケット取付トルク | 22 ~ 28 N·m(2.3 ~ 2.8 kg·m) |
インテークマニホールド取付ボルト | 1.0 kg·m |
キャブレター取付 | 1.0 kg·m |
オイルドレンボルト | 2.5 kg·m |
ミッションオイルドレンボルト | 24.5 N·m |
ラジエータ取付ボルト | 1.2 kg·m |
ウォーターポンプ キャップナット | 1.0 kg·m |
バッテリー端子 | 1.0 kg·m |
エンジンマウントボルト(アッパー/フロント) | 3.3 kg·m |
エンジンマウントボルト(リアロア) | 4.0 kg·m |
ピボットシャフト | 6.5 kg·m |
フロントアクスルナット | 6.3 kg·m |
リアアクスルナット | 6.3 kg·m |
スイングアームピボット | 6.5 kg·m |
フロントフォーク トップキャップ | 2.0 kg·m |
フロントフォークキャップ | 2.3 kg·m |
フロントフォークソケットボルト | 2.0 kg·m(約19.6 N·m) |
ステムナット | 7.0 kg·m |
ステム クランプボルト | 25 N·m |
ステム トップナット | 75 N·m |
ステム割り締めボルト | 2.7 kg·m |
トップスレッド(トップキャップ) | 0.2 kg·m |
ハンドル取付ボルト | 4.5 kg·m |
ステップブラケット | 2.8 kg·m |
リアショック(アンダー/トップ) | 4.0 kg·m |
ブレーキディスク取付ボルト | 4.0 kg·m |
ブレーキキャリパーマウントボルト | 31 N·m |
ブレーキキャリパーブラケットボルト | 2.7 kg·m |
ブレーキキャリパーホースボルト | 3.0 kg·m |
ブレーキパッドピン | 1.8 kg·m |
ブレーキパッドピン(フロント別表) | 18 N·m |
補足
- 単位は kg·m と N·m が混在します。必要に応じて換算してください(1 kg·m ≒ 9.8 N·m)。
- 同一部位でも前期型/後期型で値が異なる箇所(クラッチセンターなど)があるので注意。
おすすめのトルクレンチ
バイク整備で一番やってはいけないのが、感覚だけでボルトを締めてしまうことです。
「まだ回るから大丈夫だろう」と思って力を入れすぎると、ねじ山が潰れてしまったり、逆に緩すぎて走行中に部品が外れてしまう危険性もあります。
今回ご紹介した締め付けトルク一覧を正しく活用するためには、トルクレンチの使用が必須です。
ブレーキや足回りのボルトが緩むと命に関わるリスクにつながります。
「自分で整備するなら必ず1本持っておくべき」と言える工具がトルクレンチです。
実際に私も使っていますが、安心感と仕上がりの確実さがまったく違うので、まだ持っていない方にはぜひ導入をおすすめします。
SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ
3~60N・m に対応。
京都機械工具(KTC) 12.7
30~140N・m に対応
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おすすめのトルクレンチに関しては下の記事でも詳しく紹介しています↓
>>バイク用 おすすめのトルクレンチを徹底比較|選び方も解説
まとめ
ホンダNSR50は、50ccクラスながら本格的なレーサーレプリカの構造を持ち、整備やレストアの楽しみが大きいバイクです。しかし、各部の締め付けトルクを守らなければ、部品の破損や思わぬトラブルにつながることもあります。
本記事では、エンジン・足回り・ブレーキ・フレーム・電装関連まで主要なトルク値を一覧表にまとめました。 サービスマニュアルを持っていない方でも、必要な数値を一目で確認できる「保存版」として活用いただけるはずです。
これから整備やレストアを始める方はもちろん、長くNSR50に乗り続けたいオーナーの方も、今回の一覧を参考にすれば、安心して作業を進められるでしょう。
最後に、整備作業はあくまで自己責任となります。必ずトルクレンチを使用し、指定値を守って確実に締め付けることをおすすめします。愛車を長く快調に維持するために、ぜひ本記事を役立ててください。
タイトルテキスト
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