
「ADV350はいくらで乗り出せるの?」にサクッと答えます。2025年時点の国内“逆輸入”目安は、最安重視(在庫×海上)95〜110万円、安心重視(取り寄せ×改善・保証)115〜135万円、店頭の中古並行は105〜118万円が基準線。円換算や諸費用の積み上げ、さらに為替・在庫・決算月で上下します。
本記事では、本体→輸送→通関→予備検/改善→登録→税/保険までの内訳を数値で可視化し、A/B/Cの見積もりシミュレーション、年式×走行距離の中古レンジ、値引きと下取りの実践テク、ローン支払いの現実感、見えないコストの見抜き方、そしてリセールの出口戦略まで一気通貫で解説。そのまま使えるチェックリスト/交渉テンプレ付きで、ムダなく賢く「総額」を最小化します。
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結論|ADV350の新車価格はいくら?国内「逆輸入の乗り出し総額」目安(2025年時点)
「いくらで乗り出せるのか?」を先に。2025年時点、日本での正規販売は未導入のため、国内での実勢は“逆輸入(並行)価格”になります。為替・在庫・改善作業の有無でブレますが、過去の見積もり傾向から見た乗り出し総額の目安は下記レンジ。
- 在庫あり×海上輸送×改善最小(最安狙い):約95万〜110万円
- 取り寄せ×改善あり×保証厚め(安心重視):約115万〜135万円
- 中古並行(低走行・装備次第):約85万〜120万円
乗り出し=本体(現地税込→輸出時にVAT控除されるケースあり)+輸送費+通関・港湾費+予備検・改善費+登録費+自賠責+消費税10%の合算。
同じ「本体価格」でも、為替5〜10円の変動や改善項目の差で10万〜20万円は平気で変わります。
海外本体価格の相場レンジ(EUR/USD)と円換算の考え方
- 欧州の店頭価格(VAT込)は国別に差があり、おおむね€6,300〜€7,200帯。輸出前提だと**VAT抜き(約€5,700〜€6,200)**が目安になるケースもあります。
- 米国は公式流通が薄く、USD表示は「相当額」として$6,200〜$7,400程度を目安換算に使うと計画が立てやすいです。
- 円換算のコツ:
- 例)€6,000 × 165円/€ = 99万円(本体のみ)
- ここに輸送・通関・改善・登録・消費税を積むと**+25万〜45万円**前後が乗りやすい=総額120万円前後に到達、というイメージ。
- 為替感応度:€6,000ベースで、€±1円 ≒ ±6,000円、€±10円 ≒ ±6万円の変動。
ポイント:見積もり比較時は**「VAT抜き価格か/込みか」「為替レートの固定条件」**を必ず確認。
乗り出し価格=本体+諸費用(消費税10%・輸送・通関・予備検・登録)
諸費用はショップごとに構成が異なりますが、概念は共通です。
- 本体(現地):VAT込or抜、ディーラー手数料の扱いを確認
- 輸送:海上(安いが時間がかかる)/航空(高いが速い)
- 通関・港湾:通関手数料・港湾費・書類作成
- 予備検・改善:保安基準適合に必要な作業(後述)
- 登録・自賠責:小型二輪の登録一式+自賠責12か月
- 消費税10%:課税対象の積み上げに対して発生(課税・不課税の線引きを見積書で要確認)
「乗り出し総額」は“足し算の透明度”が命。
それぞれの内訳と税のかかり方が明細化されている見積書が安心です。
中古相場の結論|年式・走行距離別の目安(~5,000km/~10,000km/1万km超)
国内・並行中古のレンジ(2025年時点の体感値):
- 〜5,000km:約100万〜120万円(高年式・装備厚めで上振れ)
- 〜10,000km:約90万〜110万円(状態・色で伸び幅あり)
- 10,000km超:約85万〜100万円(整備履歴・消耗品の新しさで差)
カラー(人気色)や純正トップボックス・電装アクセで**+3万〜10万円**の上振れが生じやすい一方、VIN照合・保証有無・改善内容が弱い個体は割安でも後コスト化しがち。総額視点で比較しましょう。
新車価格の内訳と比較|ADV350の「逆輸入コスト構造」を数値で把握
海外本体を円換算しただけでは**“乗り出し価格”になりません**。実際は、下のような費用を積み上げていきます。ショップや輸送条件で上下しますが、レンジ感を押さえておくと見積もり比較がスムーズです。
輸送費の目安(海上便/航空便)とリードタイム
- 海上輸送(コンテナ/RORO):約12万〜20万円
- リードタイム:約5〜8週間(現地〜港前後の内陸搬送含むと+1〜2週)
- 含みやすい追加:梱包・木枠(約2万〜5万円)、現地内陸輸送(約2万〜6万円)、国内陸送(約1万〜3万円)
- 航空輸送:約25万〜40万円
- リードタイム:約1〜2週間
- 輸送保険:CIF相当の0.5〜1.5%前後が目安(未加入だと万一時の負担大)
迷ったら海上=安いが時間、航空=速いが高い。納期に余裕があれば海上便指定で総額を圧縮できます。
通関・港湾関連費用の目安(通関手数料・港湾費・書類作成)
- 通関手数料(通関業者):約2.5万〜5万円
- 港湾費用(THC等):約1万〜3万円
- 書類作成・翻訳:約5千〜2万円
- 保管料/延滞(必要時):日額3千〜1万円目安でカウント
- 関税・輸入消費税:原産地・協定適用で変動(0〜数%)。輸入段階の消費税はCIF等に対して計算されますが、最終的には見積書の総額に内包されるのが一般的。二重計上の有無を明細で確認しましょう。
ポイント:関税・税計算の基礎額(本体・輸送・保険のどこまでが課税対象か)をショップに確認。「税込/税別」表記の混在は誤差の温床です。
予備検・改善費用の目安(km/h表示・ウインカー間隔・ヘッドライト光軸)
- 速度計のkm/h主表示:
- ECU切替・盤面換装で約5千〜4万円(車種仕様による)
- ウインカー間隔・ステー加工:
- 約1万〜3万円(欧州仕様で満たす例も多いが、要現車確認)
- ヘッドライト配光(左側通行向け):
- 約2万〜6万円(光軸調整で済む場合〜アッシー交換まで幅あり)
- 反射器(サイド/リア)、ナンバー灯・リフレクタ:
- 約3千〜1.5万円
- 音量・排ガス適合チェック/書類:
- 約5千〜1.5万円
EU現行(Euro5)ベースは適合しやすい傾向。ただし“mph主表示”/非対称ヘッドライトなど、小さな改善が積もると+5万〜10万円に達することがあります。
登録費用・自賠責12か月・ナンバー取得の実費
- 登録代行手数料:約2万〜5万円
- 新規検査・印紙:数千円〜(地域/申請形態で差)
- 自賠責(12か月):約7,500〜8,500円
- ナンバー代:約500〜1,500円
- (参考)その他:住民票・委任状等の実費は別途数百〜数千円
まとめると、「予備検・改善+登録一式」で概ね7万〜15万円がベンチマーク。改善点が多い個体はここが伸びます。
中古相場の見方|ADV350「年式×走行距離×装備」で価格がこう変わる
並行輸入の中古は、年式・走行距離・装備(アクセサリー)の3要素で相場が動きます。下は2025年時点の国内並行中古で見かけやすいレンジ感(総額イメージ)。個体差・為替・改善内容で上下しますが、見比べの起点にどうぞ。
走行距離帯の価格差(~5,000km/~10,000km/1万km超)
走行距離帯 | 価格の目安(総額) | 判断ポイント |
---|---|---|
〜5,000km | 約100万〜120万円 | 低走行は外装・消耗少。装備が厚い個体は上振れしやすい |
〜10,000km | 約90万〜110万円 | タイヤ・ブレーキ残量や定期点検記録の有無で差 |
1万km超 | 約85万〜100万円 | 価格は手頃でも、消耗品交換前提の見積もりで再計算を |
消耗品(タイヤ・チェーン/スプロケ・ブレーキ)の近々交換が必要なら−2万〜5万円程度を心の中で差し引き計算して比較すると失敗しにくいです。
年式別の目安(2023年/2024年/2025年)
年式(初度登録年)が新しいほど上振れ。下は年式×距離のざっくりレンジ(装備ノーマル基準)。
年式 × 距離 | 〜5,000km | 〜10,000km | 1万km超 |
---|---|---|---|
2025年式 | 110万〜120万 | 100万〜110万 | 90万〜100万 |
2024年式 | 100万〜115万 | 95万〜105万 | 88万〜98万 |
2023年式 | 95万〜110万 | 90万〜100万 | 85万〜95万 |
目安はノーマル装備・整備記録が揃う前提。上表より高い場合は「装備の厚さ」や「保証条件」が上乗せされているかをチェック。
装備・カラーでの上振れ要因(トップボックス・純正アクセ)
プラス評価になりやすい装備(相場上振れの目安)
- 純正トップボックス&ステー:+3万〜8万円
- 純正グリップヒーター/電源ソケット類:+5千〜2万円
- 純正スクリーン(ロング)・ナックルガード等:+5千〜1.5万円
- 人気色(マット系・限定色等):+1万〜3万円
マイナスになりやすい要素
- 社外マフラー・灯火類で純正パーツ欠品:−1万〜5万円(車検・改善適合や音量で不安視)
- 傷・タッチアップ多数/転倒歴示唆:−3万〜10万円
- キー(スマートキー)予備欠品:再登録コスト懸念で**−1万〜3万円**
ADV350はスマートキー個体が基本。スペアキー(スマートキー×2)と取説・整備記録の有無は価格妥当性の重要ファクターです。
並行中古の注意点(保証可否・整備履歴・VIN照合)
チェックすべきはこの4点。見積書と現車で二重確認しましょう。
- 保証の範囲
- メーカー保証の日本国内適用は期待しづらく、ショップ独自保証が中心。**期間(例:3〜6か月)、対象部位(電装/消耗品扱い)**を明文化確認。
- 整備履歴
- 点検記録簿・サービスブックのスタンプ、オイル・エアフィルター・ブレーキフルード等の交換履歴。無い場合は納車整備の実施内容を見積書に明記してもらう。
- VIN照合(車台番号)
- フレーム刻印・書類・ECU情報の一致、**製造年・仕様(EU/ASEAN)**の確認。リコール/サービスキャンペーン該当の有無もVINで確認依頼。
- 改善内容の証跡
- km/h主表示・光軸・リフレクタ・ウインカー間隔など、どの改善を実施し、その費用がどこに計上されているか(二重計上防止)。
できれば納車前点検チェックリストを紙でもらい、**消耗品残量(mm/%)**を数値で残しておくと、将来の売却時にも有利です。
見積もりシミュレーション|乗り出し総額の具体例(A/B/Cの3パターン)
試算の“考え方”を統一します。為替は例としてEUR/JPY=155円、USD/JPY=155円、海上輸送はCIF相当の保険込み、自賠責・印紙は非課税として概算。ショップや港の混雑度で1〜3割ブレます。
A:在庫あり×海上輸送×基本整備のみ(最安重視)
- 本体(VAT抜き想定):約75〜82万円
- 現地内陸・梱包:2〜5万円
- 海上輸送+保険:12〜18万円
- 通関・港湾・書類:4〜7万円
- 予備検・改善(最小):3〜6万円
- 登録代行・印紙:2〜4万円
- 自賠責12か月・ナンバー:0.8〜1.0万円(非課税)
- 消費税(課税対象小計に対して):約8〜11万円
概算合計(税込):約95万〜110万円
最安を狙う場合の王道。為替が有利で、改善が少なく、海上便指定できるとこの帯に収まりやすいです。
B:取り寄せ×改善多数×延長保証(安心重視)
- 本体(VAT抜き〜現地手数料込み):約85〜95万円
- 現地内陸・梱包:5〜7万円
- 輸送(海上優先/場合により航空)+保険:15〜28万円
- 通関・港湾・書類:6〜9万円
- 予備検・改善(km/h主表示・光軸・反射器等):8〜12万円
- 登録代行・印紙:3〜5万円
- 延長保証(ショップ保証の上乗せ):2〜5万円
- 自賠責12か月・ナンバー:0.8〜1.0万円(非課税)
- 消費税(課税対象小計に対して):約10〜14万円
概算合計(税込):約115万〜135万円
改善内容を厚めに取り、保証まで付けるとこの帯。航空便にすると上限側に寄ります。
C:中古並行×アクセ多数(装備重視)
- 中古本体(国内並行店頭):約95〜110万円(装備・色で変動)
- 納車整備・油脂類交換:2〜4万円
- 名義変更・登録代:2〜3万円
- 自賠責12か月・ナンバー:0.8〜1.0万円(非課税)
- 消費税(サービス分):数千〜1万円台
概算合計(税込):約105万〜118万円
純正トップボックス・電装アクセ付きは上振れ。消耗品残量次第で整備費を厚めに見ておくと安心です。
見積書チェックリスト(手数料・改善費用・輸送保険の有無)
- 税込/税別の混在がないか(課税対象の線引きが明記されているか)
- 輸送保険(免責・補償範囲)の記載(未加入だと万一時の自己負担大)
- 予備検・改善の“実施内容”が具体化(km/h主表示・光軸・リフレクタ等)
- 通関・港湾・書類代の内訳(重複計上や相場乖離がないか)
- 保証の“期間/対象部位/免責条件”(電装・消耗品の扱い)
- 納車整備の作業明細(油脂・消耗品の交換点数/残量記録)
- 為替の固定条件(適用レート・精算タイミング・再見積もり条件)
3社以上の相見積もりを同一前提で取り、総額の比較表を作ると差が浮き彫りになります。
相場が動く理由|為替・在庫・季節性で「いくら?」が変動する
海外発のADV350は、**為替・在庫/モデルサイクル・季節性(決算期)**で総額が大きく動きます。見積もりの“芯”を持つために、どれがどのくらい効くかを数値で把握しておきましょう。
為替の影響(USD/JPY・EUR/JPY 135〜165円帯での増減幅の考え方)
- 基本式:円建て本体価格=現地価格(外貨)× 為替レート
ここに輸送・通関・改善・登録・消費税が積み上がって乗り出し総額に。 - 例:€6,000を前提に、固定諸費用=35万円と仮置きした場合
為替(EUR/JPY) | 本体の円換算 | 諸費用(仮) | 乗り出し総額の目安 |
---|---|---|---|
135円 | 81.0万円 | 35.0万円 | 116.0万円 |
145円 | 87.0万円 | 35.0万円 | 122.0万円 |
155円 | 93.0万円 | 35.0万円 | 128.0万円 |
165円 | 99.0万円 | 35.0万円 | 134.0万円 |
- 感応度の目安:€6,000ベースなら為替が10円動くと±約6万円、30円動くと±約18万円のインパクト。
- 見積書では**「適用レート」「精算タイミング(発注時/通関時)」「レート変動時の再見積もり条件」**を必ず確認しましょう。
在庫・モデルサイクル・決算期(3月・9月)の価格トレンド
- 在庫状況:“店頭在庫あり”は強い。輸送を省けるため海上便待ちより10万前後下げられることも(改善が最小で済む個体ならさらに有利)。
- モデルサイクル:年次カラー変更・小改良の前後で、旧年式の値引き/放出が出やすい。輸入店は保有在庫の回転を優先するので、型落ち=値頃の傾向。
- 決算期(3月・9月):仕入れ調整&資金回収の都合で、まとまった値引き・諸費用サービスが期待できる月。相見積もりはこの時期が効きます。
- 繁忙/閑散:春〜初夏は強含み、真夏/真冬は弱含み。季節の山谷を跨いで交渉すると有利。
年落ち・減価の進み方(登録年/初度年の影響)
- 初度登録〜1年:**−5〜12%**が目安(走行〜5,000km・無改造・整備帳票ありの良質個体前提)。
- 以降1年ごと:−3〜7%/年が目安(走行1万km超や外装ダメージ・社外改造で下振れ)。
- 登録年の効き:同じ“製造年/型”でも、**初度登録が1年早いだけで−3〜5%見られることがあるため、「製造年」「初度登録年」「走行距離」**をトータルで見るのが正解。
- 売却相場との連動:人気色・純正アクセ完備・整備記録が厚いと落ち幅が緩く、リセールで回収しやすい(=購入時に多少の上振れがあっても総コストは縮む)。
まとめ:為替が“最大インパクト”、在庫と時期は“交渉の風向き”、年落ち/距離は“残価(出口)”。この3層で判断すると「今が買い時か?」が見えてきます。
安く買うコツ|ADV350の「買い時」と値引き・下取りのテクニック
「同じ個体なのに10万以上差がつく」——ADV350は買うタイミングと交渉の組み立てで総額が変わります。ここでは“今日から実践できる”テクニックに絞って整理します。
決算・在庫一掃・天候要因での値頃月を狙う
- 狙い目の月:3月・9月(決算期)、加えて梅雨・猛暑・真冬の需要が緩む時期。
- 在庫一掃サイン:店頭で展示期間が長い、旧年式、色がダブついている。こうした個体は諸費用サービスやアクセ同梱を引き出しやすい。
- ロジックの出し方:「決算前で在庫整理されると伺いました。諸費用のうち登録代と予備検の一部をサービスできませんか?」のように費用名で交渉すると通りやすい。
付属品より本体値引き交渉/下取り併用(相見積もりの取り方)
- 原則:アクセおまけより本体または諸費用の減額がリセールでも効く。
- 相見積もり:3店舗以上、**同一前提(為替レート・輸送条件・改善内容)**で依頼。税込総額で横並び比較。
- 下取りの活用:
- ステップ1:下取りなしの現金総額を確定
- ステップ2:下取りありを提示してもらい差額を比較
- 他社の買取見積もりを添えて「乗り出し総額での最終提示をお願いします」と要請。
- 一言テンプレ:
- 「税込の乗り出し総額ベースで110万円を切れたら即決します。今日ご決断いただける条件はありますか?」
海上便指定・納期柔軟化で費用圧縮
- 海上輸送指定:航空より数十日長いが十万円規模で安くなりやすい。納期の柔軟性を伝えるのがコツ。
- 同梱・混載の相談:ショップが他車とまとめて輸送できるタイミングに合わせると港湾・通関の効率化でメリットが出ることも。
- 為替条件:発注時レート固定/通関時精算など条件で総額が動くため、「レートの上限・下限」を書面に残す。
不要オプション・コーティングの取捨選択
- よくある追加:ボディコーティング、盗難防止キット、延長ロードサービス、ETC、任意保険セット、タイヤ/ブレーキの「早期交換セット」など。
- 見極め方:
- リセール価値が乗りやすい…純正トップボックス/ステー、純正電装(グリップヒーター等)
- コスパが割れやすい…高額コーティング、過剰な電装追加、社外ライト類(改善適合や将来の戻しにコスト)
- お願いの仕方:「コーティングは不要なので、その分を諸費用から減額いただけますか?」
- 書面チェック:“セット割”の名目で不要項目が混入していないか、明細化を徹底。
まとめ:時期をずらす(需給)×条件をそろえる(比較)×費目で詰める(明細交渉)。この三段で10万〜20万円規模の圧縮が狙えます。
ローン・保険・税金で総額はこう変わる|月々支払いと年間維持費
「総額いくら?」はローン条件と維持費で体感が大きく変わります。ここでは現実的な金利・保険・税のレンジで、毎月の支払い感覚と年間コストを把握できるように整理します。
金利の目安(年率例:3.9~5.9%)と36回/60回の支払い例
※ローン元金=車両の税込“乗り出し総額”から頭金を差し引いた金額。ここでは例として110万円/130万円を試算しています(頭金なし、ボーナス払いなし)。
元金 | 年率 | 期間 | 月々の支払額 | 支払総額 | 金利合計 |
---|---|---|---|---|---|
110万円 | 3.9% | 36回 | 約32,430円 | 約1,167,390円 | 約67,390円 |
110万円 | 3.9% | 60回 | 約20,210円 | 約1,212,510円 | 約112,510円 |
110万円 | 5.9% | 36回 | 約33,410円 | 約1,202,920円 | 約102,920円 |
110万円 | 5.9% | 60回 | 約21,210円 | 約1,272,900円 | 約172,900円 |
130万円 | 3.9% | 36回 | 約38,320円 | 約1,379,640円 | 約79,640円 |
130万円 | 3.9% | 60回 | 約23,880円 | 約1,432,970円 | 約132,970円 |
130万円 | 5.9% | 36回 | 約39,490円 | 約1,421,630円 | 約121,630円 |
130万円 | 5.9% | 60回 | 約25,070円 | 約1,504,330円 | 約204,330円 |
コツ
- 頭金10〜20万円を入れると、月々は千円台〜数千円下げやすい。
- 同じ金利なら短期(36回)<長期(60回)の順で金利総額が増えるため、無理のない最短がトータル安。
- 店舗の低金利キャンペーン(例:3%台)や**残価型(要条件)**も要比較。
自賠責・任意保険の目安(21歳以上・ゴールド免許想定)
- 自賠責:12か月で約7,500〜8,500円、24/25か月で約9,000〜12,000円目安(地域・改定で変動)。
- 任意保険(対人対物無制限・人身傷害3,000万円・ロードサービス付/車両保険なし):
- 年間 約25,000〜55,000円(等級・補償範囲・特約で増減)
- 盗難特約・弁護士特約を付けると**+3,000〜10,000円**程度上振れ。
まずは**対人・対物“無制限”**を軸に、**人身傷害(搭乗者)**を足し、車両保険は居住環境(盗難リスク)と自己負担許容で判断。
税金の基礎|小型二輪(251cc超)の自動車税は年額6,000円前後
- 自動車税(軽自動車税種別割):年額約6,000円(小型二輪は一律)。
- 自動車重量税:車検時に2年分で約5,000円(=年あたり約2,500円)。
- 検査・印紙:車検時に数千円。
- ポイント:ADV350は251cc超なので“車検あり”。初回(新規登録)→以後2年ごとに法定費用+点検整備費が発生します。
年間維持費の概算(オイル・タイヤ・ブレーキ・消耗品)
年5,000km・通勤+週末ツーリングの一般的ケース(概算・目安)
- ガソリン:実燃費30km/L、ガソリン170円/L → 約2.8万円/年
- オイル交換:5,000kmごと×年1回 → 8,000〜15,000円(銘柄で差)
- ブレーキフルード/冷却液:年換算1,000〜3,000円(交換サイクルで按分)
- ブレーキパッド:年0.5〜1.5万円(走り方次第)
- タイヤ:2〜3年で交換(総額4〜6万円想定)→ 年1.5〜3万円
- 駆動系(Vベルト等):2〜3万kmで交換(2〜4万円)→ 年0.7〜1.5万円(走行距離で按分)
- 車検関連(法定+整備):2年ごと3〜5万円台 → 年1.5〜2.5万円
- 税金:6,000円/年
合計目安:年間 約10万〜16万円+任意保険(約2.5万〜5.5万円)
→ トータル約12.5万〜21.5万円/年(駐車場代は地域差が大きいので別計上:0〜月1万円目安)。
交換時期が重なる年(タイヤ+ブレーキ+車検)や、ロングツーリングで走行が伸びた年は**+数万円**見ておくと安心です。
よくある落とし穴|見積もりの「見えないコスト」と保証の注意点
海外ベースのADV350は、明細の書き方ひとつで総額が数万円〜十数万円変わることがあります。ここでは失敗事例が多いポイントを具体的な見抜き方と一緒にまとめます。
手数料の重複・過大計上(例:書類代・登録代・代行費)
- よくあるNG
- 「書類作成費」「登録代行費」「届出代行費」が名称を変えて二重計上。
- 「下取査定料」「成約事務手数料」など、実作業を伴わない名目手数料の上乗せ。
- 防ぎ方
- “作業内容と工数・含まれる実費”を質問(例:「登録代行に含む印紙・ナンバー代・出張費の内訳は?」)。
- 税込の乗り出し総額で比較し、**“税別記載の混在”**をやめてもらう。
- 同一条件の相見積もり(為替・輸送・改善)で横比較。
輸送保険未加入・免責条件の見落とし
- よくあるNG
- CIF相当の保険が未加入、または免責10万円以上なのに説明がない。
- 破損時の**責任分界点(現地/船積み/国内陸送)**が曖昧。
- 防ぎ方
- 見積書に**「輸送保険加入・補償上限・免責額・適用区間」を明記**させる。
- 国内陸送中もカバーされるか確認(港〜販売店〜自宅まで)。
予備検・改善費用の二重計上/仕様差異による追加費用
- よくあるNG
- 「予備検一式」+「改善一式」で同じ作業が重複(例:光軸調整・リフレクタ取付が両方に記載)。
- mph主表示や非対称ライトなど、仕様差異の追加が後出しで増額。
- 防ぎ方
- 改善項目を列挙してもらう(例:km/h主表示、ウインカー間隔、光軸、反射器、ナンバー灯など項目×金額で明細化)。
- VIN・仕様国を事前に確認し、必要/不要の改善を確定。後から増額しない旨を書面で取り交わす。
保証範囲・延長保証の条件(消耗品・電装の扱い)
- よくあるNG
- “保証除外”が広すぎる(電装系ほぼ対象外、消耗品扱い拡大)。
- 保証開始日が船積み日や店頭到着日になっており、実質期間が短い。
- 防ぎ方
- 対象部位(エンジン/駆動/電装)・除外項目・上限金額・免責を文面で確定。
- 保証開始日=登録(納車)日にしてもらう。
- **点検・オイル交換の実施証跡(納車整備記録)**を保存。将来の売却時にも効く。
ひとことテンプレ:
「改善項目を“項目×金額”で個別明細にしてください。重複がないか確認したいです。」
「輸送保険の免責と適用区間、保証の対象部位・開始日を見積書に記載願います。」
リセール・下取りの出口戦略|買う前に売る価格も読む
「いくらで買うか」と同じくらい**「いくらで売れるか」**が総コストを左右します。ADV350は並行輸入ゆえの評価ブレもありますが、時期×状態×書類でコントロール可能です。
査定に強い時期(3月・9月)と高値売却のコツ
- 強い月:**3月・9月(決算期)**は買取需要が増え、数万円単位で提示が上振れしやすい。
- 需要の波:春先〜初夏はツーリング需要で強含み/猛暑・真冬は弱含み。売りは強い月、買いは弱い月が基本。
- 高く売る“3点セット”
- 整備記録・領収書(オイル、ブレーキ、駆動系、タイヤ)を時系列で揃える
- 純正戻し+純正部品の同梱(社外は減点要因になりやすい)
- 外装クリーニングと“異音・警告灯ゼロ”の事前是正(小キズは位置とサイズを申告)
- スマートキー:スペア有りは評価アップ。取説・工具・キー番号タグもセットで提示。
乗り換え比較|ADV160・X-ADV 745ccのリセール感
- ADV350:中排気量スクーター×アドベンチャールックで需要は安定。並行でも整備履歴と改善内容が明瞭なら評価は通りやすい。
- ADV160:国内正規流通+維持費安で母数が多く売買回転が速い=“売りやすさ”は高いが、1台あたりの上昇幅は控えめ。
- X-ADV(745cc):大型×DCTの指名買い層が厚いため、高額帯でも相場安定。ただし走行距離・外装状態で減額幅も大きい。
- 結論:購入価格に対する残価率は、X-ADV ≧ ADV350 > ADV160の順になりやすい一方、手放しやすさと回転の早さはADV160 ≧ ADV350 > X-ADV。
- 短期で買い替え前提ならADV160/ADV350、長期保有+高残価狙いならX-ADV/ADV350が有利。
売却先の選び方(一括査定の注意点/単独高価買取の見極め)
- 一括査定の注意点
- 電話・来訪が集中しやすい。同日同条件の“同時査定”方式を指定し、最高提示+即決条件を引き出す。
- 出張費・成約料・キャンセル料の有無、減額条件(傷・修復の定義)を事前に書面確認。
- 単独高価買取の見極め
- 並行輸入査定の経験値(改善項目とVIN照合に慣れているか)。
- 当日振込/即日現金化の可否、名義変更完了の期日保証。
- 写真20枚以上の事前査定(外装・メータ・VIN・キー・タイヤ溝・ブレーキ残量)を要求してくる業者は減額が少ない傾向。
- 下取り vs 買取
- **乗り換え同時の“下取り差額”**で見ると、実質値引きが乗るケースあり。
- 一方、現金買取>下取りになることも多いので、**下取り見積と外部買取見積の“差額”**で最終判断。
コツ:売却側の書類(整備明細・改善内容・スペアキー・純正パーツ)を**“買う前から”集める前提**で選ぶと、購入→売却の総コストが最小化します。
Q&A|「乗り出しいくら?」「中古いくらから?」「相場はいつ下がる?」
「乗り出し価格はいくら?」→本体+諸費用の算出手順
算出の型(メモして使えます)
- 本体の外貨価格(VAT抜き)×為替=本体の円換算
- +輸送費(海上 or 航空・保険込み目安を加算)
- +通関・港湾・書類(通関手数料/THC/翻訳など)
- +予備検・改善(km/h主表示・光軸・反射器 等)
- +登録・自賠責・印紙・ナンバー
- +消費税10%(課税対象項目の合計に対して)
=税込“乗り出し総額”
クイック目安(2025年時点)
- 最安重視(海上・改善最小):約95万〜110万円
- 安心重視(取り寄せ・改善厚め・保証付):約115万〜135万円
- 中古並行(店頭):約105万〜118万円(装備・距離で上下)
コツ:見積書は税込・課税対象の線引き明記を必須化。為替の適用タイミング(発注時/通関時)も確認しましょう。
「中古いくらから?」→年式・距離ベースの早見表
装備ノーマル基準のレンジ感(総額)
年式 × 走行距離 | 〜5,000km | 〜10,000km | 10,000km超 |
---|---|---|---|
2025年 | 110万〜120万 | 100万〜110万 | 90万〜100万 |
2024年 | 100万〜115万 | 95万〜105万 | 88万〜98万 |
2023年 | 95万〜110万 | 90万〜100万 | 85万〜95万 |
上振れ要因:純正トップボックス/電装、人気色(+3万〜10万円)
下振れ要因:社外パーツで純正欠品、傷・整備薄、キー予備欠品(−1万〜10万円)
チェック必須:保証範囲、整備履歴、VIN照合、改善実施の証跡。
「相場はいつ下がる?」→為替・在庫・決算期の三要因で判断
- 為替:EUR/JPYが10円動く=本体で約±6万円のインパクト(€6,000想定)。
- 在庫/モデルサイクル:旧年式放出や店頭在庫持ちは下がりやすい。
- 季節/決算:3月・9月(決算)、猛暑・真冬は総額が緩みやすい。
判断フロー
- 為替の直近トレンド→上向きなら様子見、下向きなら早めの打診
- 在庫の有無と年式→店頭在庫×型落ち=交渉余地大
- 時期→決算月に相見積もり3社で一気に詰める
まとめ
- “乗り出し”は足し算。明細の透明化+為替条件の固定でブレを最小化。
- 中古は年式×距離×装備でレンジを把握し、保証と改善証跡で安心を買う。
- 相場の谷は、為替↓×在庫あり×決算月が重なったタイミング。ここを狙い撃ちに。
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