
Z750FXの1型と2型の違い、パッと説明できますか? 本記事は「見分け方」と「選び方」を最短で整理する入門ガイドです。年式や型式(フレーム番号)、タンクロゴやストライプ位置、メーターや足回りの仕様差までを図解・比較表でまとめ、現車確認で迷わないようにチェックポイントを具体化しました。さらに、2025年時点の中古相場感や、用途別に“買っていい人・やめるべき人”も明確化。Z750D1やZ1R-2、Z1000MK2との誤認を避ける注意点もカバーします。
初めての人でも、30秒で全体像→5分で要点→現車で即判定できる構成です。
この記事でわかること
・Z750FX 1型/2型の“即わかる”見分け方(年式・型式・外装・足回り)
・主要スペックと装備の違いを一覧化した比較表
・2025年時点の中古相場の目安と、価格が上下する要因
・購入前に見るべき現車チェックリストと、用途別の最適な選び方
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結論|Z750FX 1型 2型 違いの要点を30秒で把握
Z750FXの「1型(Z750FX-I)」と「2型(Z750FX-II)」は、年式・外装グラフィック・足回りの構成で見分けるのがもっとも早いです。まずは以下の3点を押さえておけば、現車確認で迷いません。
- 年式レンジの違い:1型は前期、2型は後期の位置づけ。車検証の初度登録年とフレーム番号刻印で当たりを付けられます。
- 外装の識別点:タンクロゴのフォント/ストライプの太さと位置、サイドカバーの「Z750FX」エンブレム書体、テールカウルのピンスト有無が目安。
- 足回りの差:フロントディスクの仕様、キャリパー形式、ホイール形状(スポーク数・スポークの太さ)で識別。**“前ブレーキの見た目”**が写真でも判断しやすいポイントです。
走りのキャラクターは、数値上の車重・軸距・キャスター角の差が小さくても、ブレーキ構成やタイヤサイズで体感が変わります。中古相場はオリジナル度・初年度登録の古さ・純正部品の残存率で上下し、同走行でも整備履歴(キャブOH、点火系、足回りリフレッシュ)の有無で価格差が出やすいです。
この記事は図解+比較表で「見分け方→仕様差→相場→買い方」の順に整理し、現車20項目チェックリストまでカバーします。
本記事でわかること|見分け方・年式・仕様差・価格感まで
- クイックチェック5項目でわかる「1型/2型の即識別法」
- 年式・型式の整理と、フレーム番号の読み方・誤認しやすい表記の注意点
- 主要スペック&装備の比較表(車重・軸距・キャスター角/ブレーキ/タイヤ・リム幅/点火・電装)
- 2025年時点の中古相場感と、価格を押し上げるプレミア要因(初年度・オリジナル度・純正パーツの有無)
まず答え|Z750FXの見分け方クイックチェック5項目
まずは「写真1枚+現車1分」で判定できる5項目チェックです。スマホにこのリストを保存して、現車前で順に照合すれば“ほぼ外しません”。
- 年式・型式の記載(車検証/フレーム刻印)
- タンクロゴの書体とストライプの太さ・位置
- メーター意匠・右左スイッチの配列差
- 足回り(フロントディスク形状・キャリパーの取り付け方式・ホイールスポーク形状)
- エンジン刻印・キャブ仕様(刻印位置・負圧取り出し・同調機構など)
この順で観察すれば、外装交換車でも複合判定が可能です。パーツの流用やレプリカ外装が混ざっても、フレーム/エンジン/足回りの3点で整合が取れているかを確認しましょう。
年式表記と型式の確認ポイント(車検証・フレーム刻印)
- 最優先は書類と打刻です。車検証の「初度登録(年・月)」、**車台番号(フレーム番号)**を必ず照合。
- フレーム刻印はハンドル下~ステアリングヘッド部の左側にあることが多く、打刻の深さ・ピッチ・字形の不自然さもチェック。
- 書類と打刻が一致しても、エンジンは換装されている場合があります。後述のエンジン刻印も合わせて二重チェックが安全です。
タンクロゴとストライプ配置の違い
- ロゴ書体の角(カド)の立ち方、縁取りの有無、文字の間隔は見分けの要。
- ストライプは太さ・始点/終点の位置、サイドカバーとの“段差”の出方に注目。リペイント車は塗りの段差・マスキング跡から判別できることがあります。
- サイドカバーエンブレム「Z750FX」のフォントと取付ピン位置も確認。社外レプリカはピン間隔が純正と微妙に異なるケースがあります。
メーター・スイッチ周りの仕様差
- メーターは目盛りのフォント、インジケーター窓の配置、トリップノブ形状などが識別手掛かり。
- ハンドルスイッチはウインカー/ハザード/ライトの配列、スライドかプッシュかで時期差が出ます。
- ハーネスやカプラーが補修痕だらけだと、年式跨ぎの流用や電装リフレッシュの可能性大。整備履歴の聞き取りも併せて行いましょう。
足回り比較|フロントディスク・キャリパー・ホイール形状
- フローティング or 固定、ディスクの厚み・ドリルドパターン、ベル部の色味に注目。
- キャリパーは取付方式(丸穴/スリット)、ピストン径の違い、ブレーキホースの取り回しで結構バレます。
- ホイールはスポーク数・スポークの“肉厚”・リム刻印を確認。刻印の書体と配置は意外と偽装が難しく、年代判別に強い材料です。
- 併せてフロントアクスル径/ナット形状やスピードメーターギア部の作りも見ておくと精度が上がります。
エンジン刻印・キャブ周りでの識別
- エンジン左側(またはクランクケース前方)にあるエンジンナンバー刻印を確認。打刻の深さ・面の仕上げは改変痕の発見に有効です。
- キャブは負圧取り出し口の有無、チョーク(エンリッチナー)操作系、トップカバー形状、同調スクリューへのアクセスなどが手掛かり。
- インシュレーターの品番刻印や二次エアの取り回しも年代で差が出やすいポイント。
- エンジンとフレームの年式整合が取れているか(例:後期のエンジンが前期フレームに載っていないか)を、マウントカラー形状まで含めて目視で詰めましょう。
年式・型式を整理|Z750FX 1型 / 2型の年代レンジと系譜
旧車は**「初度登録年=製造年」ではないことが多く、まずは車検証+フレーム刻印+当時カタログの仕様**を三点照合するのが安全です。外装だけを“後年仕様”に組み替えている個体も少なくないため、**年式→型式→主要部位(フレーム・エンジン・足回り)**の順で整合を取っていきましょう。
チェックのコツは次の3つです。
- 年代レンジの把握:前期(1型)/後期(2型)の大まかな販売期間を押さえ、当時の装備差と照らし合わせる。
- 型式表記の整合:車検証の型式欄・原動機型式欄・車台番号(フレーム番号)を一列で一致確認。
- 主要コンポーネントの時期差:メーター意匠・ブレーキ構成・ホイール刻印・電装ユニットは時代で変わりやすく、総合判定に有効です。
Z750FX-I / Z750FX-IIのカタログ上の変更点まとめ
※実車は交換・流用で差異が出ます。**複数ポイントの“合致”**で見ましょう。
- 外装グラフィック:タンクのロゴ書体(縁取り・文字間隔)とストライプの太さ/位置が年代で変化。サイドカバーの**「Z750FX」エンブレム**の書体も手掛かり。
- メーター周り:メーターフェイスのフォント・インジケーター窓の配置・トリップノブ形状に差。
- ブレーキ構成:フロントディスクの固定方式(固定/フローティング風)、ディスク厚・ドリルドパターン、キャリパーの取り付けピッチやホース取り回しが変わるケース。
- ホイール:キャストのスポーク形状/肉厚、**リム刻印(サイズ・製造ロット)**で年代感を読み取り。
- 電装:レギュレーター/レクチファイアの一体/別体、ハーネスのカプラー形状に年次差が出ることあり。
- 排気系:サイレンサーの刻印/バッフル構造、マフラーステー位置は純正度判定に有効。
実務的には、ブレーキ+ホイール+電装の“3点一致”が強い証拠になります。外装は入れ替えやすいので、機能部品の年代整合を重視しましょう。
フレーム番号の読み方と誤認しやすい記載
- 刻印位置と状態:多くはステアリングヘッド左側に刻印。打刻の深さ・字形の均一性・面の仕上げを確認し、再打刻や修正痕に注意。
- 車検証との一致:
- **車台番号(フレーム番号)**が書類と一致しているか。
- 原動機型式(エンジン番号)は別管理のため、載せ替えもあり得ます。フレームとエンジンの年代整合を併せて確認。
- 初度登録年のワナ:並行輸入/長期在庫→後年登録の個体は、「見た目は前期、書類は後期」のような年ズレが起きます。当時カタログ仕様と現物の複合判定が必須。
- 桁数・プレート類:**車体銘板(リベット留めのアルミプレート)**は入れ替え可能。打刻本体>プレートで信用度を判断しましょう。
- 付随刻印・鋳出し:フレームやスイングアーム、ホイールの鋳出し番号・ロット刻印は偽装が難しく、年代証拠として強力です。
あるある誤認
- 外装一式が後年仕様:写真だけで“2型”と判断→フレームは前期というケース。
- 再塗装でストライプ寸法が純正と違う:**ラインの太さ・端のR(曲率)**がズレていても見落としがち。
- エンジンだけ後期:電装やキャブ仕様と年代が噛み合わない。マウントカラー形状・配線取り回しまで突き合わせるのが◎。
主要スペック比較表|1型と2型で異なる数値と装備
「1型/2型でどこが数値として違うの?」を**“現車で確認できる項目”基準**でまとめます。旧車は交換・流用が当たり前なので、**カタログ値の暗記より“どこで数値と型番を読むか”**が超重要です。以下は、現車でチェック→写真記録→記事末のチェックリストに転記できるように整理しています。
- 寸法系:車重/軸距/キャスター角/トレール
- 足回り:ブレーキ径・固定方式/キャリパー形式・ピストン径/ホイールサイズ(リム刻印)
- 動力・電装:点火方式・イグナイター/発電容量・レギュレータ/ハーネス・カプラー形状
コツ:ホイールのリム刻印(例:1.85×19、2.15×18)、ディスクの外径スタンプ、レギュレータやイグナイターの品番シールは、年式整合の“生証拠”になります。
車重・軸距・キャスター角の差が与えるハンドリング
- 車重(装備重量):同世代でもマフラー・バッテリー・前後タイヤで**±数kg動きます。1型→2型で装備差(ブレーキ・電装)**により若干の変動が出やすい印象。
- 軸距:スイングアーム長やリアショック自由長、タイヤ外径で体感が変わります。直進安定性は長い=安定、切り返しは短い=軽快が基本軸。
- キャスター角/トレール:旧車は27°台/110mm台が目安のことが多く、フロントフォークオフセットやタイヤプロファイルで初期舵の入りが変化。
- 体感まとめ:
- 1型:軽快寄りで初期応答が出やすい固体が多い。
- 2型:直進寄りで安定志向=高速巡航でラク、という報告が目立つ。
※いずれも現物の整備状態(ステムベアリング・フォークオイル・タイヤ銘柄)>年式差で体感が大きく変わります。
ブレーキ構成・タイヤサイズ・リム幅の比較
- フロントディスク:外径(例:φ260〜280mm台)、固定方式(固定/フローティング風)、**厚み(mm)**を目視。ベル部の形状と色味が年代判別に効きます。
- キャリパー:取付ピッチ(mm)、片押し/対向、ピストン径刻印を確認。ホース取り回しやバンジョー角度にも年式差のクセが出ます。
- リアブレーキ:ドラム/ディスク、トルクロッド位置、アーム形状で判断。
- ホイール:
- フロント刻印例:
1.85×19/リア刻印例:2.15×18など(※現車のリム外周刻印を必ず撮影)。 - スポーク形状(肉厚・本数)とハブの鋳出し番号は年代を語る強い材料。
- フロント刻印例:
- 推奨空気圧/タイヤ銘柄:**交換歴・銘柄・製造年週(DOT刻印)**を控えて、乗り味評価の前提をそろえましょう。
点火・発電・電装周りの仕様差
- 点火方式:ポイント→フルトラ(ICイグニッション)の流れで、イグナイター(IC Igniter)の品番シールやカプラー形状が時期差の目印。
- 発電系:**オルタネーター容量(W)**は年式で微差が出やすく、レギュレーター/レクチファイアの一体・別体構成もチェックポイント。
- ハーネス:分岐の取り回し、カプラー色・極数、メインアース位置が違う場合あり。
- 灯火類:ヘッドライトリム/ウインカー本体刻印/リアコンビランプの品番刻印で純正度と年代感を把握できます。
実務メモ
- 電圧計測:アイドリング/3,000rpmで14V前後に安定するか。レギュレーターの健康度は試乗前に把握。
- 始動性:冷間一発+再始動で点火・燃調・圧縮の総合状態が見えます。旧車は電装健全性が“走りの差”以上に乗り味へ効きます。
デザインと外観の違いを写真で把握するチェックリスト
「見た目」で判別するときは、同じ角度の写真を左右比較できるように撮るのがコツです。スマホなら等倍・2倍の2パターンで、日陰で反射を抑えて撮ると細部が残りやすいです。
持参おすすめ:デジタルノギス 150mm(例:シンワ 19975)、LED付点検ミラー(例:TONE TM-17LED)、養生テープ 24mm、白マーカー。
写真は以下の7カットが基本です。
- 正面斜め(左・右):タンクロゴ、ストライプの始点/終点、フロントブレーキ構成
- サイド真横(左・右):サイドカバーの書体、ステップ位置、マフラー角度
- タンク俯瞰:ストライプの太さと間隔、給油口キャップの意匠
- テール真後ろ:テールカウルのピンスト有無、リアランプ刻印
- ホイール接写(前後):スポークの“肉厚”、リム刻印位置
- エンジン左接写:エンジン番号刻印、キャブ上部~負圧取り出し
- ステアリングヘッド左:フレーム打刻、車体銘板
撮影メモ:ロゴやピンストは等倍で縁の欠け・にじみが見える角度で。HDRをOFFにすると塗膜の段差が出やすいです。
タンク・サイドカバー・テールの配色とピンストの違い
- タンクロゴの縁取り:縁の厚み(mm)、角のR(曲率)、文字間隔を接写で。縁取りが均一か/途中で太さが変わるかは再塗装判定に有効。
- ストライプの太さ・終端:メジャーやノギスで実測(例:外側約6~8mm/内側約3~5mmのように“実測値”をメモ)。タンク後端の巻き込み位置とサイドカバーとの段差も確認。
- サイドカバー「Z750FX」エンブレム:文字の立体感(抜き/盛り)、メッキの色味、取付ピンの位置。社外レプリカはピン間隔が微妙に違うことがあります。
- テールカウルのピンスト:左右対称性、エッジのにじみ、クリア下の段差で純正/再塗装の目星。リアコンビランプ刻印(例:
STANLEY…など)も必ず接写。 - 外装クリア層:オリジナルは薄めのことが多く、再塗装は艶が立ちすぎ・肌が違うケースが目立ちます。**オレンジピール(ゆず肌)**も手掛かり。
チェックポイント
- 線の“始点・終点”の位置が左右でズレていないか
- 色相差:タンクとサイドカバーで色味がわずかに違う→リペイント/交換の可能性
- エンブレム裏の鋳出し番号:裏面も撮らせてもらえると確度UP
マフラー形状・ステップ位置・フェンダーの見分け方
- マフラー(4-2-1/4-2-2等):エンド形状(丸/オーバル)、バッフル固定方法、刻印の有無。ステー位置と厚み、溶接ビードのピッチは社外/年代差を見分ける鍵。
- ステップ位置:ブラケットの形状・厚み(mm)、ボルト頭の種類(六角/キャップ)、ラバーの溝パターンを左右で比較。
- フェンダー(前後):前:R(曲率)・プレスライン、後:テールとの段差・固定ボルト頭の種類。メッキ品は下地のうねりや点サビの出方で再メッキを推測可能。
- 小物類の刻印:ウインカー本体・ミラー根元・レンズの刻印(例:
STANLEY,KOITOなど)を必ず接写。同一ロットの揃いはオリジナル度の証明になります。 - クリアランス:マフラーとスイングアーム・ステップの**隙間(mm)**をノギスで一発計測→左右差があれば曲がり・社外品干渉の可能性。
実務小ネタ
- 白い養生テープで基準線を引いてから撮るとズレが数ミリ単位で見えます。
- LED点検ミラーでタンク下・エンジン下の補修跡・溶接痕をチェック。外見が極上でも下側に“真実”が残りがちです。
走りの違い|街乗り・ワインディング・高速での体感差
同じ「Z750FX」でも、ブレーキ構成・ホイール/タイヤ・電装健全性の違いで“走りの印象”は結構変わります。傾向としては、1型=軽快寄り、2型=直進安定寄りが語られやすいですが、最終的には整備状態>年式差です。ここでは、試乗で感じやすいポイントを再現性のあるチェック手順でまとめます。
- 街乗り(0〜60km/h):
発進〜中速の“もたつき”はキャブ同調/燃調/点火時期/プラグ番手の影響が大。1型は軽快に感じやすい個体が多い一方、2型は初期の直進安定が出やすく、渋滞路でのブレーキコントロールの素直さが印象に残りやすいです。
チェック:アイドリング安定(1,000〜1,200rpm目安)、クラッチミートのスムーズさ、低開度でのギクシャクがないか。 - ワインディング(60〜100km/h):
切り返しの軽さは前後タイヤのプロファイルとフロント油面/スプリングの影響大。1型は初期舵の入りが出やすい個体が多く、2型は中立付近の座りが良い傾向。ブレーキの初期タッチ(パッド材質・ホースの膨張)で安心感が変わります。
チェック:S字での戻りの速さ、ブレーキ後の姿勢変化、立ち上がりでハンドルが振れないか(ステム・ホイールバランス)。 - 高速巡航(100km/h前後):
2型は直進安定が出やすく、長距離で疲れにくいことが多いです。1型でも整備が行き届けば直進は問題なし。発電系の健全度(電圧14V前後安定)と点火系が高速でのスムーズさを左右します。
チェック:100km/h定地での微振動、追い越し加速のつながり、ブレーキのフェード。
試乗前に:空気圧(例:F2.3/R2.5前後)、チェーン張り、**タイヤ製造年週(DOT)**は必ず確認。走りの評価は“整備の前提”をそろえてから行うとブレません。
低中速トルクとスロットルレスポンスの印象
- 1型傾向:軽快で初期ピックアップが出やすい個体が多い。キャブ/点火が整っていれば、街中の半クラ〜中開度で扱いやすく、ワインディングの立ち上がりが軽い。
- 2型傾向:トルクの“座り”がよく、一定速の安定感が得やすい。巡航〜追い越しで開け増ししていくとスムーズに伸びる印象。
- 整備で変わるポイント:
- キャブ同調+油面(フロート高さ):低開度のドン付きが激減。
- 点火系(プラグ/コード/コイル/イグナイターの健全性):再加速のつながりが改善。
- 二次エア(インシュレーターのひび割れ):薄い症状でパーシャルが荒れる→要交換。
直進安定性とコーナリング初期応答の違い
- 初期応答(切り始め):
1型は切り出しでスッと入る印象を持たれやすい。これはフロントの“初期沈み”+タイヤプロファイルで出やすく、フォークオイル粘度(#10〜#15)や油面の差でも体感が変わります。 - 中立付近の座り:
2型は直進に芯がある感触で、巡航の安心感が高い傾向。コーナー中盤以降のライン保持がラクで、戻しの安定も得やすいです。 - 制動〜進入の姿勢:
フロントパッド材(例:デイトナ ゴールデンパッドχ相当)やメッシュホース化で初期が立ってくると、どちらの型でも進入の安心感が段違いに。 - 実務チェック:
低速8の字→フロントの沈みと戻りに“段付き”がないか/高速レーンチェンジ→ワナワナしないか/コーナー立ち上がりでハンドルが取られないか(ステム・ホイール・アライメント)。
まとめ:
- 1型=軽快寄り/切り返しが軽い、2型=直進安定寄り/巡航がラクという“傾向”はある。
- ただし、フォーク/ショックの状態・タイヤ銘柄と空気圧・ブレーキの整備度・電装健全性で簡単に逆転します。
- 試乗は同じ条件(空気圧・温間・同コース)で比較すると、年式差の“本質”が見えます。
中古相場の現在地(2025年時点)とプレミア要因
2025年現在、Z750FXは玉数が少なく価格は強含み。相場は状態とオリジナル度で大幅に上下します。ざっくりの目安は下記のイメージで、**整備履歴の“紙”(領収書・作業明細)**がある個体ほど強気の価格設定になりがちです。
- 実動・要整備クラス:¥1,500,000〜¥2,200,000
- 要キャブOH/油脂類総替え/ブレーキ要メンテの前提が多い。外装レプリカ混在の可能性あり。
- 機関良好・実用コンディション:¥2,200,000〜¥3,000,000
- キャブ同調済み、足回り・電装に手が入っている。外装は再塗装でも純正風仕上げが多い層。
- 高オリジナル・レストア済み:¥3,000,000〜(内容次第で上振れ)
- 純正外装一式・純正刻印、同一ロットの小物刻印が揃い、当時書類や写真など証跡があるとプレミア帯へ。
相場は走行距離<整備履歴と純正度で動きます。**“どれだけ純正で、どれだけ丁寧に直してあるか”**が価格差の源泉です。
走行距離別の相場ゾーンと整備履歴の評価軸
距離は参考値に過ぎません。内部の摩耗状態と手当ての質を主軸に見ましょう。
- 〜20,000km表記
- 価格は上振れしやすいが、実走かどうかはメーター交換歴やハーネス・ゴム部品の劣化度で総合判定。
- 評価軸:キャブOH履歴(同調・油面設定)、ステム/スイングアームベアリング、リアハブダンパー交換歴、フォークO/H(オイル・シール・スプリング)。
- 20,000〜50,000km
- 実用的な“こなれ価格”帯。足回り・ブレーキ・電装リフレッシュ済みなら狙い目。
- 評価軸:フロントディスク厚・偏摩耗、キャリパーピストン固着痕、ジェネレーター発電量、レギュレーター電圧安定(14V前後)。
- 50,000km〜
- 価格は抑えめでも、腰上O/H歴(リング・ガイド・バルブシート)やミッション周りの異音に注意。
- 評価軸:圧縮値(気筒間バラツキ)、オイル上がり/下がり症状、クラッチジャダー、2次エア(インシュレーターひび)。
整備書類は日付・走行距離・作業明細が明確かを確認。“総額だけ”の伝票は中身が読めないので要質問です。
初年度登録年・オリジナル度・純正部品の有無での価格差
プレミアの三大要素はここです。
- 初年度登録年/当時物の証跡
- 早い初年度は当時感・希少性の評価に直結。古い写真や当時の販売店記録が残ると一段上の価格に。
- オリジナル度(外装・小物の刻印揃い)
- タンク/サイドカバー/テールの純正刻印・当時色、ミラー・ウインカー・レンズの刻印一致は強い。
- 車体銘板・リム刻印・ボルト類の規格感まで揃うと“説明不要の説得力”。
- 純正部品の有無(ストックパーツ)
- 社外パーツ装着でも、純正排気・純正外装・純正キャブが付属する個体は評価がグッと上がる。
- 箱や当時のパーツタグ・品番票が残ると“証跡価値”がプラス。
物販アドバイス
- **点火強化(ICイグナイター互換/ハーネス新品)やブレーキリフレッシュ(ステンメッシュ/高性能パッド)**は、走行安全性を上げながらオリジナル部品は保管がベター。
- 探すなら:純正型番が読み取れる外装/当時刻印の小物、信頼できる再メッキ・再塗装、整備明細付きの機関回り。
- 売却時は純正戻し+社外は別売りのほうがリセール最大化になりやすいです。
買っていい人・やめるべき人|用途別のベストチョイス
Z750FXは**「旧車を“楽しむ”余裕」があるほど満足度が伸びます。毎日の便利さより、所有体験・手をかける楽しみを重視できるかが分岐点。ここでは使用シーン別に、1型/2型の向き不向きを整理します。併せて、実用性を底上げする最低限の初期整備アイテム**も添えておきます(具体例は汎用推奨モデル)。
- 買っていい人
- 週末〜月2回程度の計画的なライド+屋内保管ができる
- 現物主義で、整備記録や部品刻印を見て判断できる/学ぶ気がある
- 走りは100km/h巡航+ワインディング軽めが中心で、加速より味を楽しめる
- 純正度を維持しつつ、安全部品はアップデート(ブレーキ・タイヤ・点火)したい
- やめるべき人
- 平日毎日の通勤用途が中心で、雨天上等・青空保管になりがち
- 「壊れない・すぐ乗れる・安い」を最優先(コストと手間の前提が合わない)
- 現車確認の時間が取れない/遠方通販で即決したい
- 改造ベースとしてガッツリ仕様変更したい(希少性と整合が取りにくい)
日常+週末ツーリング派はどちらが向く?
- 街〜峠を“軽快に”楽しみたい人 → 1型が有利
- 切り返しの出方や初期応答で満足しやすい傾向。
- ただし整備状態>年式差。購入直後は足回りとブレーキのリフレッシュが最優先。
- 実用アップの例:
- ブレーキパッド(例:DAYTONA ゴールデンパッドχ相当)
- ブレーキホース(ステンメッシュ汎用/バンジョー角度適合)
- タイヤ(現行ラジアル or コンパウンド新しめのバイアス)
- 高速巡航の安定と長距離を重視 → 2型が有利
- **直進の“座り”**を好む人、100km/h巡航多めの人は2型の安心感がマッチしやすい。
- 電装の健康度が体感を大きく左右。発電・レギュレータ・点火の同時点検を推奨。
- 実用アップの例:
- バッテリー充電器(CTEK MXS 5.0クラス)
- 点火強化コイル(汎用12Vイグニッションコイル互換)
- プラグレンチ+トルク管理(TONE トルクレンチ T3MN-050 5〜50N·m)
どちらの型でも、初期費用の想定は「車両価格+整備/消耗品¥150,000〜¥300,000」を目安にしておくと、購入後の満足度が安定します。
コレクション・再販価値重視なら押さえるポイント
- 1型/2型どちらも“オリジナル度が命”
- 外装一式の当時刻印/同一ロット小物刻印、リム刻印、純正マフラーの状態は評価直結。
- 社外パーツが付いていても、**純正部品が付属(排気・外装・キャブ)**ならプラス要素。
- 書類と証跡
- 初年度登録の古さ、当時の販売店伝票や写真、**整備明細(部品番号・作業内容)**が揃う個体はプレミア帯へ。
- 保管とコンディション維持
- 屋内保管+定期火入れ、バッテリーメンテ(CTEK級)、燃料劣化対策(フューエル1相当)で価値の目減りを抑制。
- 純正ボルト類は外したらラベル管理。再販売時の**“純正戻し”**がしやすく、査定で効きます。
まとめの指針
- **走り重視→1型(軽快)/巡航・安定重視→2型(安定)**という“傾向”をベースに、現物の整備状態で最終判断。
- 安全部位のアップデートは可、純正部品は保管がリセールの王道。
- 迷ったら、同条件の空気圧・同コースで1型/2型を連続試乗して、あなたの体に合うほうを選びましょう。
よくある誤認と注意点|Z750D1・Z1R-2・Z1000MK2との違い
「見た目が似ている」「パーツが流用できる」——この2つが誤認の温床です。外装は入れ替えられますが、骨(フレーム)と心臓(エンジン)と足回りの年代整合はごまかしにくいポイント。ここでは写真だけで勘違いしやすい3車種との違いを、現場で役立つ観点に絞って整理します。
- Z750D1(通称D1)
- 外観:タンク形状とストライプが“FX風”に見えやすい。サイドカバーの造形・エンブレム書体で要判別。
- 足回り:フロントブレーキ構成・キャリパー取り付けピッチ、ホイールの刻印が異なるケースが多い。
- エンジン:ヘッド周りの鋳肌や刻印の“見え方”に差。キャブの負圧取り出し・トップカバー形状も参考になる。
- Z1R-2(カフェフェアリング付)
- 外観:言わずもがなカウル付き。外装を外した“裸仕様”だとFXに寄るため、ステム周りのブラケット跡やハーネスの分岐を確認。
- フレーム:ステアリングヘッド周りの補強/ステー痕がヒント。
- 電装:カウル車特有のハーネス長・カプラー位置が残っていることも。
- Z1000MK2(1,016cc)
- 外観:角ばったスクエアなテールカウル、タンクとサイドカバーの稜線で区別がつくが、外装だけMK2風が存在。
- エンジン:排気量違い=原動機型式で判別。ヘッドフィンの厚みと形状、クランクケースの面構えも要観察。
- ホイール/ブレーキ:**ディスク外径・ベル部形状・スポークの“肉厚”**が違うことが多い。リム刻印は“生証拠”。
実務TIP:外装一致<フレーム刻印+エンジン刻印+足回りの3点一致。写真映えに惑わされず、“番号と刻印”を優先してください。
共通部品と非共通部品|流用カスタムの落とし穴
- 共通っぽく見えて実は違う
- ブレーキキャリパー:見た目が似ていても取り付けピッチ(mm)やシム厚が異なり、センター出しが狂う。
- ホイール:同径でもハブ幅/オフセット/ベアリング内径が違い、スプロケットラインやスピードギアの噛みに影響。
- メーター:外観互換でも**ギア比(回転当たりの進み)**が一致せず、速度・回転表示がズレる。
- 社外“FX風”外装の罠
- ピン位置・クリップ位置・取付ボルト径が純正と微妙に違い、微振動→塗膜割れや共振音の原因に。
- 塗り分け寸法が純正と異なると、後年に“純正戻し”する際の基準出しが難航。
- 電装の流用
- イグナイター/レギュレーターの品番違いで発電・点火が安定しないケース。カプラー極数・ピンアサインを必ず確認。
- ハーネスは分岐位置・アース取りがズレると断線・接触不良の温床に。
回避策
- 現物の品番・刻印を撮る→整備明細に記録。
- 装着するなら**“完全互換”の証跡(取付寸法・オフセット・電気仕様)**を確認。
- 純正は保管(箱・タグ付)しておくと、査定も将来の“戻し”も強い。
車検書類・型式表記で間違えやすいケース
- 初度登録=製造年ではない:並行や長期在庫で年ズレは普通。カタログ年式と照合して総合判断。
- フレームプレート信頼しすぎ問題:リベット留めの銘板は交換可能。打刻本体(ヘッド左)と書類の一致を最優先。
- 原動機型式(エンジン番号)非一致:載せ替えは珍しくない。フレーム年式とエンジンの年代整合、マウントカラー形状まで確認。
- 下3桁違いの“別物”:フレーム/エンジンともにロット末尾の見間違いが多発。打刻の深さ・字間・傾きまで目視で詰める。
- 再打刻の痕跡:面のペーパー目・打刻の二重影・周辺の再塗装に注意。違和感があれば要専門店評価。
書類まわりの鉄則
- 車検証の車台番号=フレーム打刻を現認
- 原動機型式の実見+写真保存
- **整備伝票(走行距離・日付・作業内容・部品番号)**の有無を確認
- 不明点は第三者機関の査定書を取る——後々の売買トラブル回避になります。
購入前チェックリスト|現車確認で見るべき20項目
“写真映え”より“実物の整合”が勝ち。外装は入れ替えられますが、骨・心臓・足回り・電装はウソをつきません。以下の20項目を、スマホのメモにコピペして現場で順に潰してください。測定系はデジタルノギス150mm(例:シンワ19975)、簡易電圧計、圧縮計があると精度が上がります。
チェック20項目(現地で○×記入)
- 車検証の初度登録年/車台番号とフレーム打刻の一致(ヘッド左)
- **原動機型式(エンジン番号)**の一致と刻印の自然さ(打刻の深さ・字間)
- タンクロゴ/ストライプ寸法の左右差(等倍接写で縁の段差・にじみ)
- サイドカバー「Z750FX」エンブレムの書体/裏面鋳出し番号
- フロントディスク外径・厚み・固定方式(固定/フローティング風)
- キャリパー取付ピッチとホース取り回し(社外化の痕跡有無)
- ホイールのリム刻印(例:1.85×19 / 2.15×18)と鋳出し番号
- **タイヤ製造年週(DOT)**と溝・ひび割れ(要交換コスト)
- ステムガタ/フォーク滲み(ブレーキを握って前後に揺すって確認)
- スイングアームピボットのガタ/グリスアップ痕
- チェーン・スプロケットの摩耗(段付き・引き代余裕)
- エンジン下部のオイル滲み(クランクケース合わせ面・ドレン)
- 圧縮値と気筒間バラツキ(簡易でも可)
- 始動性(冷間で一発→暖機後再始動の安定)
- アイドリング電圧/3,000rpmの充電電圧(13.8〜14.5V目安)
- イグナイター・レギュレーターの品番シールとハーネスの補修痕
- 灯火類の刻印(ヘッド・ウインカー・テール:STANLEY/KOITO等)
- メータ作動(速度・回転・トリップ・インジケーター)
- ブレーキ引きずり/ローターの偏摩耗・段差
- 付属品(純正マフラー・外装・当時書類・整備明細)の有無
費用感メモ:初期整備の相場目安は**¥150,000〜¥300,000**(油脂全交換・キャブOH・前後ブレーキリフレッシュ・電装点検)。ここを渋ると後で倍返しになりがちです。
エンジン圧縮・オイルにじみ・始動性
- 圧縮:気筒間の差が大きいと要注意。セルで回したときの回転ムラ、排気の**“ツキ”**も併せて観察。
- オイルにじみ:ヘッドガスケット周辺/カムチェーンテンショナー/シフトシャフトを重点確認。乾拭き跡や新しい液体ガスケットは対処中のサイン。
- 始動性:冷間一発→チョーク戻し→暖間再始動がスムーズか。アイドル1,000〜1,200rpmで波が出ないかを耳でチェック。
ブレーキ引きずり・ステムガタ・ホイール振れ
- 引きずり:押し歩きで分かるレベルは要OH。ピストンの固着・戻り不良、スライドピンの渋りを疑う。
- ステム:前ブレーキを握り車体を前後、コツンと打音があればベアリング要整備。
- ホイール振れ:フロント浮かせて目視回転、リム左右に定規を当てて振れ幅確認。ハブベアリングのガタも同時に。
電装作動・配線状態・社外パーツの混在度
- 電圧:ライトONでアイドリング時の電圧落ちが大きすぎないか。3,000rpmで14V前後に安定するか。
- 配線:ギボシ増殖・色違い配線・ビニテぐるぐるは後トラブルの温床。カプラー形状・極数が純正と整合しているか。
- 社外混在:点火・充電系の社外品は型番と仕様を撮影し、純正戻しの可否を販売店に確認。純正部品の付属は強いプラス材料。
あるあるNG
- 「外装がピカピカだから即OK」→骨と電装が疲れていると走るほど不満が増幅。
- 「伝票で総額だけ」→部品番号・作業内容・走行距離の記載がない整備歴は、実態が読めません。
ミニまとめ
- **番号(フレーム・エンジン)/機能部品(ブレーキ・ホイール・電装)/証跡(整備明細・当時書類)**の3本柱で判断しましょう。
- 迷ったら第三者査定を一枚取るだけで、後の売買トラブルを大幅に回避できます。
- 買ったあとすぐに、油脂全交換+ブレーキOH+充電系点検を“儀式化”すると、コンディションが一気に安定します。
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