「NCロードスターって燃費悪いの？」「ATとMTでどれくらい差がある？」
購入前に、こうした疑問を持つ方は多いです。実はNCロードスターは、2.0L自然吸気FRスポーツとしては意外と現実的な燃費で、乗り方や状況次第では街乗り〜高速まで安定した数値が出せます。
ただし、走行環境・AT/MT・タイヤサイズ・回転数の使い方で数字が大きく変わるのも事実です。とくに「5AT」と「6MT」では100km/h巡航時の回転数差が燃費に直結します。
この記事では、
- 街乗り／郊外／高速の実測レンジ
- ATとMTの燃費差と理由
- ギア比・タイヤサイズ・回転数が燃費に与える影響
- 燃費を伸ばすための簡単メンテ・走らせ方
を分かりやすくまとめています。
**「NCロードスターでも賢く走れば十分経済的」**という目線で、乗り出し前の不安を解消します。これから購入を検討している方にも、すでに乗っている方にも役立つ内容ですよ。
結論｜NCロードスターの燃費はAT/MTでどれだけ違う？実測レンジを先に提示
NCロードスターの燃費は「思っていたより良い」と感じる人と、「意外と悪い」と感じる人で分かれます。これは単純にAT（5AT）とMT（6MT）のギア比の違いや、走る環境によって差が出るためです。
実測値の目安としては以下のとおりです。
街乗り／郊外／高速の目安（AT・MT別にkm/Lで即確認）
| 走行シーン | 5AT | 6MT |
|---|---|---|
| 街乗り（渋滞あり） | 約8〜10km/L | 約10〜12km/L |
| 郊外（流れ良好） | 約12〜14km/L | 約14〜16km/L |
| 高速100km/h巡航 | 約14〜16km/L | 約16〜18km/L |
MTの方が約1〜2km/Lほど燃費が良い傾向があります。
ただし、ATでもアクセルワークを丁寧にすれば大差なく走れるため、実用面での差は小さめです。
想定読者と前提条件｜2.0L基準・純正に近い仕様で比較
本記事では、**NCロードスター 2.0L（DBA-NCEC）**を基準に、
・純正タイヤサイズ（195/50R16または205/45R17）
・純正ギア比
・一般的なメンテナンス状態
という前提で比較しています。燃費向上パーツ装着やECUチューニング車両は除外します。
基礎データ｜AT（5AT）とMT（6MT）のギア比と回転数
100km/h巡航時の回転数比較（5AT vs 6MT）
- 5AT（ギア比0.711） … 約2,800rpm
- 6MT（ギア比0.787） … 約2,500rpm
この差約300rpmが、高速走行時の燃費に大きく影響します。
5ATは若干高回転を維持しやすく、エンジンブレーキも効きやすい反面、長距離ではMTの方が低燃費になります。
タイヤサイズ195/50R16・205/45R17で燃費が変わる理由
タイヤサイズが大きくなると外径が微妙に増え、回転数が下がるため理論上は燃費がわずかに向上します。
ただし、205/45R17は接地面が広くなるぶん転がり抵抗が増え、街乗りでは逆に燃費が落ちる傾向です。
もし燃費重視なら、軽量ホイール＋195幅タイヤがおすすめです（例：ENKEI PF05 16インチ）。
年式別の傾向｜NC1（2005-2008）・NC2（2009-2012）・NC3（2013-2015）
NC1の燃費体感とECU傾向／ATの優劣
初期型のECU制御は保守的で、燃料噴射がやや多め。ATでは街乗り燃費が伸びづらく8〜10km/L程度にとどまることも。
MTなら軽快な回転上昇を活かして11〜13km/L前後が目安です。
NC2の改善点と実測レンジの安定化
中期型ではECUとトルク制御が見直され、燃料噴射マップが最適化。
AT・MTともに1〜2km/Lほど改善しました。特にMTでは16km/L近くを記録する例もあり、燃費性能が安定しています。
NC3で伸びやすい走り方と注意点
後期型は制御がよりスムーズになり、巡航時の燃費はNC2以上。
ただし、ブレーキドラッグ（キャリパー固着）やO2センサー劣化があると燃費が大きく悪化します。定期的なメンテナンスが鍵です。
実測レンジ｜走行シーン別の平均値と上下ブレ
街乗り短距離（渋滞多め）：AT/MTの実測km/L
渋滞を多く含む都市部では、AT 8〜10km/L／MT 10〜12km/Lが現実的です。
短距離のアイドリング時間が長いと、燃費は一気に下がります。
ATでもマニュアルモードを活用すれば、エンジン回転を抑えられます。
郊外〜バイパス：60–80km/h定常のベストレンジ
この速度帯が最も燃費が伸びやすく、ATで13〜15km/L、MTで15〜17km/Lほど。
巡航中はスロットルを一定に保つことが重要です。
高速100km/h巡航：空気圧・荷物有無での差
空気圧を2.4kPa前後に設定し、不要な荷物を下ろせば16〜18km/Lも可能。
逆にトランク積載が多いと2km/Lほど落ちる場合があります。
伸ばすコツ｜簡単に効くメンテと運転テク
空気圧・ホイール重量・オイル粘度（0W-20/5W-30）の選び方
燃費を重視するなら軽量ホイール＋195幅タイヤ＋0W-20オイルが鉄板。
オイルはMAZDA純正「ゴールデンECO SN 0W-20」やモービル1 0W-20などが定番です。
スロットル開度とシフトアップ回転数の最適化
MTでは2,500rpm前後でシフトアップが最も効率的。
ATの場合も、マニュアルモードで早めのシフトアップを意識することで1〜2km/Lの向上が期待できます。
エアクリーナー・O2センサー劣化が燃費に与える影響
純正エアフィルター（品番LFG1-13-Z40）は2万kmごとの交換推奨。
O2センサー（BOSCH 0258017025）は劣化すると燃調が狂い、2〜3km/L悪化します。5万km超えたら交換目安です。
季節差・環境差の整理
冬場の暖機・ヒーター使用でどのくらい落ちる？
冬は暖機運転やヒーター使用で燃料噴射が増え、平均で1〜2km/Lほど低下します。
走行前に短時間の暖機（30〜60秒）に留め、走りながら温めるのがコツです。
雨天・向かい風・標高での燃費低下を最小化するコツ
雨天や強風では空気抵抗が増え、約5〜10％燃費が落ちます。
空気圧をやや高め（+0.1〜0.2kPa）に設定し、ワイパー負荷やライト電力のロスも意識すると安定します。
維持費目線｜燃費×レギュラーガソリンで月々いくら？
月1,000km想定のAT/MT別ガソリン代シミュレーション
レギュラー価格180円/Lで計算すると、
- AT（平均12km/L）→ 約15,000円/月
- MT（平均14km/L）→ 約12,800円/月
わずかですが、MTの方が年間で約26,000円ほど節約できます。
タイヤサイズ変更と燃費・静粛性のバランス提案
195幅タイヤは燃費重視、205幅は走行安定性と静粛性重視。
街乗り中心なら195/50R16＋軽量ホイール、高速やワインディング派なら**205/45R17＋静粛タイヤ（例：ADVAN dB V552）**が最適です。
まとめ｜用途別の最適解
通勤メインならどっち？AT/MT・タイヤ・オイルの推奨セット
毎日乗るならAT×195幅タイヤ×0W-20オイルの組み合わせが◎。
ストップ＆ゴーに強く、燃費と快適性のバランスが良好です。
週末ワインディング重視の燃費と満足度の落としどころ
走る楽しさを重視するなら6MT×205幅タイヤ×5W-30オイル。
燃費は多少下がりますが、レスポンスとフィーリングが格段に向上します。
結果的に「走るたびに満足できるコスパの良い車」と感じるはずです。