
「NCロードスターを買って後悔した」という声、意外と多いのをご存じでしょうか。
燃費の悪さ、積載スペースの少なさ、そして雨天走行時の不便さ——これらは、購入後に多くのオーナーがぶつかるリアルな悩みです。
しかし一方で、「最高の相棒だ」と語る人も少なくありません。
実は“後悔する人”と“満足する人”の違いは、使い方・年式選び・メンテの理解度にあります。
この記事では、**「NCロードスター後悔の理由と対策」**をテーマに、
燃費や積載、雨天走行の弱点から、グレード別の特徴、故障・維持費のリアルまで、購入前に知っておくべきポイントを徹底解説します。
「買ってよかった」と思えるロードスターライフを送るために、この記事で後悔しない選び方を一緒に見ていきましょう。
結論|NCロードスター後悔の核心—「燃費・積載・雨天」で迷う人へ
NCロードスターを買って後悔したという声の多くは、「思ったより日常で使いにくい」という点に集約されます。
とくに燃費・積載・雨天時の使い勝手の3つが、オーナーの満足度を左右します。
しかし、NCロードスターは“使い方”さえ合っていれば、非常に満足度の高い車です。通勤メインで使うか、週末のドライブ専用にするかで印象が大きく変わります。
「軽快に走る2シーター」を求めている人にとっては、燃費や収納のデメリットを補って余りある走る喜びがあります。
つまり、この車は**「実用」より「趣味」を優先できる人向け**です。
こう使うと後悔しやすい:通勤毎日+雨天多め+荷物多い
通勤で毎日使う、しかも雨の日も多いという使い方だと、ロードスターの弱点が一気に目立ちます。
まず、燃費は街乗りで10〜12km/L前後とやや重め。短距離走行が多いとエンジンが温まる前に止まるため、さらに悪化します。
さらに、積載量が少ないため荷物の多い生活スタイルには不向き。トランクにはビジネスバッグ1つと小物程度しか入りません。
加えて、雨天時の乗降は狭いドア開口部と低い着座位置のせいで服が濡れやすいのも不評ポイントです。
この使い方は、快適性より「我慢の連続」と感じやすく、後悔につながりやすいパターンです。
こう使うと満足度が高い:週末ワインディング+2人日帰り
一方で、週末のワインディングや日帰りドライブで使う人にとっては、この車は理想的なパートナー。
2.0Lエンジン(NC2以降)は高回転域まで気持ちよく吹け上がり、6速MTとの相性が抜群。
荷物が少ない2人旅であれば、150Lのトランクでも十分。特にオープン時の開放感は他車では味わえない魅力です。
「走る時間を楽しむ」ことに価値を感じる人にとって、NCロードスターは**後悔どころか“一生モノの趣味車”**になるでしょう。
燃費の現実|1.8Lと2.0Lの実燃費「街乗り10〜14km/L」の目安
NCロードスターの燃費は、排気量やミッションによって差があります。
一般的に1.8L(NC1)で11〜14km/L、2.0L(NC2・NC3)で10〜13km/L程度が実燃費の目安。
街乗り中心だと11km/L前後、高速巡航では15km/Lに届くケースもあります。
燃費を悪化させる要因としては、短距離走行・渋滞・エアコン使用が挙げられます。
とはいえ、ロードスターの魅力は「燃費よりフィーリング」にあるため、多少の燃料費は“楽しむためのコスト”と割り切るオーナーも多いです。
高速100km/h巡航時の回転数と静粛性(6MT/AT比較)
高速道路での巡航性能は、燃費と快適性を左右する重要な要素です。
6速MTの場合、100km/h時のエンジン回転数は約2,800rpm前後。
AT(5AT)はギア比がやや低く、同速度で約3,200rpmと高めになります。
この差が燃費で1〜2km/Lの違いにつながることも。
また、MTのほうがエンジンブレーキを活かせるため、長距離での安定感も高いです。
静粛性に関しては、ロードスターらしく**「必要最低限」**。
幌車では風切り音がやや入りますが、RHT(リトラクタブルハードトップ)仕様なら一段静かで、高速巡航が快適になります。
タイヤサイズ(195/50R16・205/45R17)が燃費に与える影響
タイヤサイズも燃費に直結します。
標準の195/50R16(NC1〜NC2のベースグレード)は軽量で転がり抵抗が少なく、燃費重視。
一方、上位グレードやRS系の205/45R17はグリップ重視で燃費はやや悪化傾向。
また、タイヤブランドにも差があります。
燃費を優先するなら**「YOKOHAMA BluEarth AE01F」や「BRIDGESTONE ECOPIA NH200」などの低燃費タイヤが定番。
逆に走りを重視するなら「POTENZA RE004」**のようなスポーティモデルを選ぶと満足度が高いです。
タイヤの空気圧を0.1〜0.2高めに設定するだけでも、転がり抵抗を減らして燃費改善につながります。
燃費の現実|1.8Lと2.0Lの実燃費「街乗り10〜14km/L」の目安
NCロードスターの燃費は、エンジンの排気量やトランスミッション形式によって大きく変わります。
1.8Lモデル(NC1)では11〜14km/L、2.0Lモデル(NC2・NC3)では10〜13km/Lが一般的な実燃費です。
街乗り中心なら11km/L前後、高速巡航では15km/Lを超えるケースもあります。
燃費が悪化しやすいのは、短距離通勤・渋滞路・エアコン常用といった状況。
ただし、ロードスターは「燃費で選ぶ車」ではなく、「走る楽しさ」で選ぶ車。
リッター1〜2kmの違いよりも、ドライビングフィールを重視するオーナーが多いのが実情です。
高速100km/h巡航時の回転数と静粛性(6MT/AT比較)
高速道路での巡航性能は、燃費と快適性の両方に影響します。
6速MTでは100km/hで約2,800rpm前後と比較的低回転。
一方、5ATでは3,200rpm前後まで上がるため、燃費が1〜2km/Lほど悪化することがあります。
MTはギア比がワイドで、エンジンブレーキの効きも自然。
ATは変速ショックが少なく街乗りでは快適ですが、長距離巡航ではMTの方が安定感と燃費のバランスが良いです。
静粛性については、幌仕様では風切り音がやや気になりますが、**RHT(リトラクタブルハードトップ)**は遮音性が高く、高速走行時の疲労感を抑えられます。
タイヤサイズ(195/50R16・205/45R17)が燃費に与える影響
NCロードスターはグレードによって標準タイヤサイズが異なります。
ベースグレードでは195/50R16、RSやVSなど上位グレードでは205/45R17が装着されています。
16インチは軽量で転がり抵抗が少なく、燃費を重視する人におすすめ。
一方、17インチはグリップ力とハンドリングに優れる反面、燃費はやや落ちます。
燃費重視派には**「YOKOHAMA BluEarth AE01F」や「BRIDGESTONE ECOPIA NH200」といった低燃費タイヤが人気です。
スポーティな走りを楽しみたいなら「POTENZA RE004」**がおすすめ。
また、空気圧を0.1〜0.2kg/cm²高めに設定するだけでも、転がり抵抗を減らして1km/L前後の改善が期待できます。
積載力の限界|トランク約150Lで「機内持込スーツケース可否」を判断
NCロードスターの積載スペースは、約150リットル。
この数字だけ見ると小さく感じますが、実際には「機内持込サイズ(45×35×20cm前後)」のスーツケースがギリギリ1つ収まる程度です。
つまり、1〜2泊の旅行ならOK、長期旅行や撮影・釣り道具などの大荷物は厳しいという印象です。
また、トランク開口部が狭く、ゴルフバッグや大型三脚は角度を工夫しないと入りません。
RHT(リトラクタブルハードトップ)仕様では、屋根の格納スペースを確保するために、さらに高さ方向が制限されます。
「荷物を積みたい人には不便」「走りを優先する人には十分」——このトランクはまさにそんな割り切り設計です。
ゴルフバッグ・釣り・カメラ機材は積める?実用例で解説
趣味用途での積載を考えると、限界が見えてきます。
まずゴルフバッグは通常サイズ(長さ120cm以上)は不可。ショートタイプでも、助手席を倒してようやく1本入る程度です。
釣り竿やロッドケースは、分割タイプ(仕舞寸法100cm以下)ならトランク中央に斜め配置で収納可。
長尺タイプを持ち運ぶ場合は、助手席足元を活用するしかありません。
カメラ機材の場合、ミラーレス+レンズ3本+三脚程度なら、ソフトケースにまとめて収納できます。
ただし、底面が高温になりやすいため、夏場はバッテリーや精密機器の保護が必須です。
2人旅の荷物量とソフトトップ/電動RHTの違い
2人での日帰り・1泊旅行なら、容量的には問題ありません。
**ソフトトップ仕様(幌車)**はトランクスペースを圧迫しないため、深さ方向に余裕があり、手荷物2つ+カメラバッグ程度は収納可能。
一方、**電動RHT仕様(NC2以降)**では、屋根格納部がトランク上部を占有するため、高さ制限が厳しくなります。
その代わり、幌の劣化リスクがなく、静粛性や防犯性ではRHTに軍配。
もし旅行を重視するなら、**ソフトトップ+ルーフキャリア(THULE製ベースキャリア7104+ウイングバーEvo7112)**の併用もおすすめです。
これで小型バッグやキャンプ用品を積載でき、実用性が大幅にアップします。
雨天と日常使い|幌の耐候性・排水ドレン詰まり・結露対策
NCロードスターにおける「雨の日の使い勝手」は、後悔ポイントとしてよく挙げられます。
ソフトトップ車はどうしても幌の経年劣化・排水ドレンの詰まり・結露など、メンテナンス面で注意が必要です。
とはいえ、これらは「知っていれば防げるトラブル」。
正しい対策を取っていれば、10年以上経っても快適に乗り続けることができます。
雨漏りリスクの予兆チェック:ウェザーストリップ/ドア周り
雨漏りの多くは、幌そのものよりもゴムパーツ(ウェザーストリップ)の劣化が原因です。
ドア上部・Aピラー付近・トランク周辺のゴムが硬化してひび割れると、水が伝って室内に侵入します。
特に注意したいのが、Aピラー下の排水ドレン。
ここが詰まると、ルーフ後方から水があふれ、助手席足元が濡れるトラブルが発生します。
定期的にワイヤー(またはエアダスター)で貫通確認するだけで防げるので、半年に1回は点検を。
ウェザーストリップは**純正部品(品番:NE51-R1-111)**が今でも入手可能で、DIY交換も難しくありません。
冬季の暖房効率・曇りやすさと簡易対策
冬のオープンカーは冷える——これは事実です。
ただし、NCロードスターは**シートヒーター(VS・RHT系)**を装備しており、上半身さえ防寒できれば快適に過ごせます。
問題はガラス曇り。幌車は車内湿度がこもりやすく、朝方の結露が多発します。
簡単な対策としては以下の3つが有効です。
- 除湿剤を常時2〜3個設置(リアトレイ&フロア下)
- 「カーメイト 車内ドライ300」などの再利用型を活用
- エアコンは“内気循環”より“外気導入”で湿気を逃がす
また、ドア内側の防水シートが劣化していると、雨水が侵入して曇りやすくなります。
10年以上経過した車両は、ドア内張りを一度外して防水フィルムを再施工しておくと安心です。
乗り心地とタイヤ選び|16インチと17インチで変わる段差・ロードノイズ
NCロードスターの乗り心地は、タイヤサイズとサスペンション仕様によって大きく変わります。
街乗りメインなら16インチ、ワインディングやスポーツ走行を楽しむなら17インチが一般的な選択です。
16インチはサイドウォールが厚く、段差を吸収して乗り心地がマイルド。
一方、17インチはハンドリングがシャープでグリップ力も高いですが、段差での突き上げやロードノイズが増える傾向にあります。
実際の乗り味の差は明確で、日常での快適性を重視するか、走行性能を求めるかで選択が分かれます。
純正ビルシュタイン装着車の硬さと街乗りの妥協点
NCロードスターの上位グレード(RS・NR-A)には、ビルシュタイン製ショックアブソーバーが標準装備されています。
このサスペンションは、峠道や高速走行では素晴らしい安定感を発揮しますが、街乗りではやや硬め。
段差を越えたときに「ゴツッ」とくる感触があり、通勤での細かい振動が気になるという声もあります。
ただし、サスペンションの状態が良好であれば、決して不快ではなく「ロードスターらしいダイレクト感」と捉える人も多いです。
もし乗り心地を少し和らげたいなら、**KYB NEW SR SPECIAL(品番:NSF2088)**のようなマイルドな特性のダンパーに交換するのもおすすめ。
純正ビルシュタインより柔らかく、街乗りでも扱いやすくなります。
サスペンション交換・空気圧調整で後悔を減らすコツ
「ロードスターは硬すぎる」と感じる場合、サスペンション交換や空気圧調整で改善できます。
具体的には以下の3点を意識すると効果的です。
- 空気圧を前後とも2.0kgf/cm²程度に落とす(純正指定より−0.2)
- ブッシュ類を新品交換(経年劣化で突き上げ感が増す)
- タイヤをコンフォート系に変更(例:「MICHELIN PRIMACY4」「DUNLOP LE MANS V」)
これらの工夫で、ロードスターの“しなやかさ”が戻り、長距離運転でも疲れにくくなります。
反対に、峠道重視ならPOTENZA RE71RSなどハイグリップタイヤを選ぶことで、走行性能を最大限に引き出せます。
故障・持病の「あるある」|RHT開閉不調・PWレギュレータ・デフ鳴き
NCロードスターは信頼性が高いと言われますが、長年乗っていると特有の“持病”が出てくるのも事実です。
特に多いのが、RHT(電動ハードトップ)開閉不良、パワーウインドウレギュレータの故障、デフ鳴きの3点です。
RHT開閉不良は、モーターやセンサーの経年劣化、あるいはヒンジ部の潤滑不足が主な原因。
開閉途中で止まる、異音が出る場合はグリスアップ(純正指定:Mazda N3Y2-69-394)やスイッチ接点清掃で改善するケースもあります。
修理工場では約5〜8万円前後が相場です。
パワーウインドウレギュレータはワイヤーが伸びる・モーターが焼けるなどで動かなくなることがあり、部品単体(品番:NE51-59-590A)は約15,000円ほどで入手可能。
DIY交換も難しくありません。
デフ鳴き(ゴー音)はLSD付きグレード(RS・NR-A)でよく報告されます。
オイル交換(GL-5 75W-90指定)を10,000kmごとに行えば、症状はかなり緩和できます。
幌車の骨格きしみ・雨天後の異音とメンテ頻度
ソフトトップ車では、雨天走行後に「ギシギシ」とした骨格音が出ることがあります。
原因は幌の金属リンク部の潤滑不足や、ボディのねじれに伴う締結部の緩み。
特にドアヒンジやトランク開口部周辺のボルトは、長年の開閉でトルクが抜けやすいので、**年1回の増し締め(トルク値:約25〜30N·m)**をおすすめします。
また、雨天後は幌骨格に水分が残るため、開閉は完全に乾燥してから行うのが鉄則です。
濡れたまま格納するとカビ・異音・骨格錆の原因になります。
潤滑にはKURE シリコンスプレー 1051が最適。ゴムにも使えるため、ウェザーストリップ保護にも役立ちます。
錆ポイント(サイドシル/リアアーチ)と防錆の優先順位
NCロードスターの弱点のひとつが錆の発生しやすさ。
特に注意したいのは次の3か所です。
- サイドシル(ドア下)内側の水抜き穴周辺
- リアフェンダーアーチ内側(泥が溜まりやすい)
- フロア下のジャッキアップポイント付近
サイドシルの錆は外から見えにくく、放置すると穴が開くほど進行します。
防止策としては、**「Holts ボディ防錆剤 MLボディコート」**などを年1回吹き付けるのがおすすめ。
また、車検時に下回り洗浄と同時に**シャシブラック塗装(約1〜1.5万円)**を行うと長持ちします。
錆が進行していないうちに保護しておくことで、10年以上先の維持費を大きく抑えられます。
年式・グレード選び|NC1/NC2/NC3の違いと「RS・NR-A・VS」の狙い目
NCロードスターは2005年の登場以来、**3回のマイナーチェンジ(NC1〜NC3)**を経ています。
それぞれの特徴を理解して選ぶことで、後悔の少ない1台を見つけやすくなります。
- NC1(2005〜2008年):1.8L/2.0Lともに初期型。内装はややチープだが軽快。
- NC2(2008〜2012年):2.0Lモデルのエンジン制御が改良され、レスポンスが向上。外観もシャープに。
- NC3(2012〜2015年):最終型。フロントバンパー刷新、ABS制御や安全装備の完成度が高い。
おすすめはNC2以降の2.0L MT(RSまたはNR-A)。
エンジンのトルク感とギア比のバランスが良く、純粋に“走る楽しさ”を味わえます。
一方、街乗り中心なら**VS(AT+電動RHT)**が快適。防音性が高く、雨天時も安心です。
LSD・ビルシュタイン・6MTの有無で走りの満足度が激変
走りにこだわるなら、装備構成に注目すべきです。
特にLSD(リミテッドスリップデフ)・ビルシュタイン製ダンパー・6速MTの有無で満足度がまったく違います。
- RS/NR-A:LSD+ビルシュタイン+6MT標準。サーキットでも通用する仕様。
- VS/S:快適性重視。ビルシュタイン非装着で乗り心地マイルド。
- NR-A(限定):クラブマンレースベース車。軽量・高剛性・シンプル装備。
LSDが入っていると、コーナー立ち上がりでのトラクションが安定し、「後輪駆動らしい挙動」が味わえるのが魅力。
特にワインディング好きには必須装備です。
RHTは+重量と快適性のトレードオフ—都市部通勤向きか?
RHT(リトラクタブルハードトップ)は、静粛性と防犯性で圧倒的に有利。
ただし、ソフトトップより約40kg重くなるため、コーナリングでの軽快感はやや損なわれます。
そのぶん、雨漏りの心配がほぼなく、真冬でも車内が暖かいという実用面の利点も大きいです。
街乗りや都市部の通勤利用を考えるなら、RHT仕様のVSまたはSグレードが現実的な選択です。
一方、峠道や軽快な操作を重視するなら、**幌の軽さを活かせるRS(6MT)がおすすめ。
このあたりは、「どこで、どんな頻度で乗るか」**によって最適解が変わります。
維持費と総コスト|自動車税1.8L/2.0L・17インチタイヤ交換費の現実
NCロードスターの維持費は、国産スポーツカーの中でも比較的安い部類に入ります。
ただし、1.8Lと2.0Lで税金・燃費・タイヤサイズが異なるため、使い方によっては年間コストに差が出ます。
まず、自動車税は以下の通りです。
- 1.8L(排気量1800cc):34,500円/年
- 2.0L(排気量2000cc):39,500円/年
この差は年間で約5,000円。燃費の違いも含めると、年間維持費の差はおよそ1万円前後です。
また、2.0Lグレード(RS/VS)は205/45R17タイヤを採用しており、交換費用が上がります。
たとえば、BRIDGESTONE POTENZA RE004(約17,000円×4本)=約68,000円+工賃が目安。
一方、1.8Lモデルの195/50R16(ECOPIA NH200)なら約45,000円前後で済みます。
消耗品(ブレーキ/クラッチ/オイル)と年イチ予算の目安
維持費を抑えるためには、定期メンテナンスの計画が重要です。
以下は、年間の消耗品交換を考慮した現実的な維持費目安です。
| 項目 | 交換サイクル | 費用目安 | コメント |
|---|---|---|---|
| エンジンオイル(5W-30) | 5,000〜7,000km | 約6,000円 | 純正オイル推奨(マツダ純正ゴールデンECO) |
| ブレーキパッド | 20,000〜30,000km | 約15,000円 | 前後交換で2万円弱 |
| クラッチフルード | 2年ごと | 約3,000円 | エア抜き作業含む |
| バッテリー(55B24L) | 3〜5年 | 約10,000円 | GSユアサ製が定番 |
| タイヤ | 3〜4年 | 約45,000〜70,000円 | サイズにより差あり |
| 車検 | 2年ごと | 約80,000〜110,000円 | 状態により変動 |
平均すると、年間で約8〜10万円前後が一般的な維持費となります。
純正部品が多く流通しており、DIYメンテナンス派にはコスパの良い車種です。
中古購入時の初期整備費と車検で後悔しない見積もり
中古のNCロードスターを購入する際、「車体価格+整備費」で考えることが重要です。
走行距離6〜8万kmの車両を選ぶ場合、購入後に必要となる初期整備は以下の通りです。
- タイミングチェーン車のため、ベルト交換不要
- ただしプラグ・イグニッションコイル・各オイル類の交換(約5万円)
- ゴム系部品(ウェザーストリップ・ブッシュ類)は経年劣化に注意(約3〜4万円)
また、車検時には次のような費用を見込んでおくと安心です。
| 内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 基本整備・点検 | 約40,000円 |
| ブレーキ・フルード・フィルター交換 | 約15,000円 |
| 消耗品交換+税金等 | 約50,000円〜 |
中古で購入後、最初の1年目は合計で約12〜15万円を見積もっておくと、予想外の出費を防げます。
試乗と購入チェックリスト|ボディ剛性・直進性・雨天テストは必須
中古や新規購入を検討する際、NCロードスターは試乗チェックが非常に重要です。
なぜなら、年式や前オーナーの使い方によって、ボディ剛性や直進安定性に大きな個体差があるからです。
走行中に「段差でカタッ」「車体が左右に振られる」ような違和感がある個体は、アライメントのズレやサスペンションブッシュ劣化が進んでいる可能性があります。
また、雨天時に幌やRHTを開閉してみることで、雨漏りやモーター異音の有無も確認可能。
購入前に一度でも雨天走行テストを行っておくと、納車後の後悔リスクが大幅に減ります。
幌/RHTの開閉チェック手順・ドレン清掃履歴の確認
幌やRHT(リトラクタブルハードトップ)は、開閉が正常に行えるか必ず確認しましょう。
具体的な手順は以下の通りです。
- 屋根を開ける際、途中で引っかかりや異音がないかを確認
- 幌車の場合、ロックレバーの動作が重すぎないか/軽すぎないかもチェック
- 開閉後、リアトレイ付近の排水ドレンから水が流れているかを確認
RHTモデルでは、開閉モーターが動作途中で停止するケースがあります。
これは、可動部の潤滑不足やセンサー誤作動が原因で、修理費はおおむね5〜8万円前後。
購入前に、販売店へ「ドレン清掃履歴がありますか?」と確認するのもおすすめです。
ここが詰まっている車両は、室内フロアが湿気ている場合があり、後々のカビ・臭いの原因になります。
下回り錆・異音・クラッチ噛み合わせ—20項目の最終確認
購入前チェックでは、下回りや駆動系も重要です。
以下の20項目リストをベースに確認すると安心です。
〈走行テスト〉
- 発進・停止時の異音(クラッチ・ミッション)
- 直進時にハンドルが取られないか
- 段差通過時のきしみ/軋み音
- ブレーキの鳴き・制動時のジャダー
〈外装・下回り〉
- ジャッキポイント・サイドシルの錆
- リアフェンダー内側の泥詰まり
- 下回り塗装(防錆処理)の有無
- タイヤの片減り(アライメント確認用)
〈内装・電装〉
- エアコン吹き出し温度と風量
- パワーウインドウ作動音(遅れ・異音)
- メーター照明・警告灯の動作
- ドアロック・ミラーの動作確認
〈走行関連〉
- クラッチペダルの遊びと噛み合わせ感
- アイドリング回転数(MT:約750rpm)
- エンジン振動・異音(補機ベルトの鳴き含む)
〈その他〉
- 幌・RHTの開閉確認
- ドレン水流確認
- オイル漏れ/にじみの有無
このリストを使えば、販売店とのチェックシートとしても活用可能です。
「試乗でOKだったけど納車後に不具合」という後悔を防ぐための実践的チェック項目です。
後悔しない使い方|「通勤7:週末3」なら装備とタイヤで最適化
NCロードスターを“日常でも楽しめる車”にするには、使い方のバランスが大切です。
通勤7:週末3のように、日常と趣味の両立を考えるなら、装備とタイヤ選びで快適性を底上げできます。
まず、通勤メインなら静音性と利便性を優先しましょう。
オープンカーであっても、工夫次第で快適性は大幅に向上します。
街乗り快適化:静音タイヤ+ドラレコ+防水収納で日常強化
街乗りメインのユーザーには、ロードノイズと収納不足がストレス要因になりがちです。
そのため、次の3つの装備アップデートで快適性が向上します。
- 静音タイヤへ交換
おすすめは「DUNLOP LE MANS V+(205/45R17)」や「MICHELIN PRIMACY4」。
これだけでロードノイズが約30%低減し、長時間運転も疲れにくくなります。 - ドラレコ+リアカメラを追加
幌車は後方視界が狭いので、「コムテック ZDR035」などの前後2カメラタイプが安心。
夜間撮影にも強く、あおり運転対策にも有効です。 - 防水収納で日常使いを快適に
トランクが小さいNCロードスターでは、「無印良品 EVAケース」や「ドライバッグ20L」などの防水ソフトバッグが重宝します。
急な雨でも荷物を守れ、オープン走行時も安心です。
旅行最適化:2泊3日を可能にする積載パッキング術
NCロードスターで旅行を楽しむなら、**「小分け」と「軽量化」**が鍵です。
おすすめは次のパッキング術です。
- バッグは2つに分ける(トランク用+キャビン用)
→ トランクには柔らかい衣類中心、車内には電子機器や貴重品を。 - ソフトトップ車は荷室の“高さ”を活かす
→ バッグは「mont-bell メッシュギアコンテナ Sサイズ」など柔軟な素材を選ぶ。 - 助手席背面を一時収納スペースとして活用
→ 旅先で脱いだ上着や小物も邪魔にならない。
また、ルーフキャリアを活用するなら「THULE WingBar Evo7112」+「Motion XT Alpine」など、空力特性に優れた薄型ルーフボックスがベストマッチ。
2泊3日のロングツーリングでも、荷物の制約を感じにくくなります。
まとめ|NCロードスターは“使い方次第で後悔しない車”
NCロードスターは、燃費や積載、雨天時の不便さといった弱点こそありますが、使い方を工夫すれば後悔しない車です。
街乗り重視なら快適装備を、週末ドライブ中心なら軽快なセッティングを。
このバランスが取れれば、毎日の移動が“ちょっとした特別体験”に変わります。
走る喜びと所有する満足感を両立できる数少ない国産オープンカー——それがNCロードスターの本質です。
