「トリシティ300が気になるけど、欠点は？」そんな疑問をお持ちではありませんか？
ヤマハの三輪スクーター「トリシティ300」は、独自のLMWテクノロジーによる安定感が魅力のモデルです。しかし、実際に購入を検討すると「車重が重い」「価格が高い」「足つきが悪い」など、気になるポイントも浮かび上がります。果たして、トリシティ300は本当に自分に合ったバイクなのでしょうか？
この記事では、トリシティ300の基本スペックを紹介した上で、購入前に知っておきたい欠点を詳しく解説します。さらに、欠点を補うメリットや、どんな人に向いているのかもお伝えするので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
トリシティ300の基本スペックと特徴
トリシティ300は、ヤマハが誇る三輪スクーターで、「安定感」と「快適性」を兼ね備えたモデルです。LMW（リーニング・マルチ・ホイール）テクノロジーによる独自のフロント二輪構造が特徴で、スクーターながらも高い走行性能を発揮します。ここでは、トリシティ300の基本スペックと特徴を詳しく見ていきましょう。
LMWテクノロジーとは？安定感抜群の三輪構造
トリシティ300の最大の特徴は、LMWテクノロジーを採用したフロント二輪の構造です。一般的な二輪車と違い、コーナリング時にも両輪がしっかりと路面を捉えるため、抜群の安定感があります。特に、雨の日や路面の悪い場所でも滑りにくく、転倒リスクを軽減できるのが魅力です。
また、車体を傾けて自然なコーナリングができる仕組みになっているため、「三輪だと曲がりにくいのでは？」と心配する方も違和感なく運転できます。フロントのサスペンションがしっかりと機能し、段差や荒れた道でも衝撃を吸収してくれるため、快適な乗り心地を実現しています。
トリシティ300のエンジンスペックと燃費性能
トリシティ300には、292ccの水冷4ストローク単気筒エンジンが搭載されています。このエンジンは、ヤマハのスポーツスクーター「XMAX300」と同じもので、力強い加速と扱いやすさを両立した仕様です。最大出力は約28馬力で、市街地から高速道路まで余裕を持って走ることができます。
燃費性能も優秀で、WMTCモードでの燃費は約30km/Lとされています。大容量の13L燃料タンクを備えているため、単純計算で400km近い航続距離が期待できるのもポイントです。長距離ツーリングでも給油回数を気にせず走れるので、ロングライドを楽しみたい方にも向いています。
トリシティ300は、安定感のある三輪構造と力強いエンジンを持ち、高い実用性を備えたスクーターです。しかし、このモデルならではの欠点もあるため、次の章で詳しく解説していきます。
トリシティ300の欠点とは？購入前に知るべきポイント
トリシティ300は、独自の三輪構造による安定感と快適な走行性能が魅力のスクーターですが、欠点もいくつかあります。購入を検討している方にとって、「重さ」「価格」「足つき」「走行性能」「積載力」などは気になるポイントではないでしょうか？ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
車重237kgの重さは取り回しに影響する？
トリシティ300の車重は237kgあり、一般的なスクーターと比べてもかなり重い部類に入ります。例えば、同じエンジンを搭載するXMAX300の車重は180kgほどなので、50kg以上の差があります。この重量は、停車時や取り回しの際に影響を及ぼし、特に狭い駐車場や押し歩きのシーンでは「重くて扱いにくい」と感じることがあるかもしれません。
ただし、走行中はLMWテクノロジーのおかげでバランスが取りやすく、重さを感じにくいという意見もあります。とはいえ、駐車時や押し歩きをする場面が多い方は、実際に試乗して重さを確認しておくことをおすすめします。
価格が高い？XMAX300やフォルツァ750との比較
トリシティ300の新車価格は税込104万5000円（2024年モデル）と、スクーターとしては高価な部類に入ります。比較として、同じヤマハのXMAX300は税込74万8000円、ホンダのフォルツァ350は税込72万500円と、どちらも30万円以上安く購入できます。
さらに、「もう少し予算を出せば、大型バイクも選択肢に入るのでは？」と考える方もいるかもしれません。例えば、ホンダのフォルツァ750は税込132万円で、約30万円の差でよりパワフルな750ccクラスのスクーターに手が届きます。
このように、トリシティ300は他のスクーターと比べて価格が高めに設定されているため、「三輪の安定感に30万円以上の価値を見出せるか」が購入を決める上でのポイントになりそうです。
意外と足つきが悪い？785mmのシート高の実態
スクーターは一般的に足つきが良いものが多いですが、トリシティ300のシート高は785mmとやや高め。例えば、XMAX300のシート高は795mmですが、車重が軽いため足をついたときの安定感があります。一方、トリシティ300は車重がある分、足つきの悪さが気になるという声もあります。
また、フロント二輪の影響で車体幅が広いため、足を下ろしたときに「思ったより地面が遠い」と感じる方も多いようです。身長が低めの方や、普段から足つきの良いバイクに乗っている方は、実際にまたがって確認するのが安心です。
走行性能はどうなのか？スポーツ走行には向かない？
トリシティ300は、街乗りやツーリングには最適ですが、スポーツ走行にはあまり向いていません。エンジン自体はXMAX300と同じ292cc単気筒で、最高出力は約28馬力。街中では十分なパワーですが、高回転域での伸びは控えめです。
また、LMWテクノロジーによるフロント二輪構造は、安定性が高い反面、スポーティな走りを求める方には少し物足りなく感じるかもしれません。特に、軽快なバイクのように素早く切り返したり、峠道を攻めたりするのは苦手な傾向があります。
とはいえ、安定したコーナリング性能や、高速道路での直進安定性の高さはメリットとして評価できます。速さよりも「安全に快適に走れること」を重視する方には適していると言えるでしょう。
トリシティ300の積載力は十分か？メットインの容量
スクーターを選ぶ際に重要なポイントのひとつが積載力です。トリシティ300のシート下収納（メットインスペース）は約43Lの容量があり、フルフェイスヘルメットを1個収納できるサイズです。ただし、二輪のビッグスクーターと比べると若干狭めで、「思ったより荷物が入らない」と感じる方もいるようです。
例えば、ホンダのフォルツァ350のメットインスペースは48Lあり、フルフェイスヘルメット2個を収納できる設計になっています。それと比べると、トリシティ300の収納力はやや控えめです。
また、フロント部分にグローブボックスがあるものの、そこまで大容量ではないため、長距離ツーリングなどで荷物が多い場合はトップケースを追加するのが現実的な対策になります。
トリシティ300は、三輪ならではの安定感や快適性が魅力ですが、車重の重さ、価格の高さ、足つきの問題、スポーツ走行の不得意さ、積載力の物足りなさなどのデメリットもあります。これらの欠点を理解した上で、メリットと比較しながら購入を検討することが大切です。次の章では、トリシティ300の魅力について詳しく解説していきます。
3. トリシティ300のメリットもチェック！欠点を補えるポイント
トリシティ300には、車重の重さや価格の高さといったデメリットもありますが、それを補って余りあるメリットも多くあります。特に、三輪ならではの安定感や、ロングツーリング向けの快適装備、先進的な電子制御などが大きな魅力です。ここでは、トリシティ300のメリットについて詳しく解説していきます。
3-1. 圧倒的な安定感！三輪ならではのコーナリング性能
トリシティ300最大の特徴は、フロント二輪による圧倒的な安定感です。ヤマハ独自の「LMW（Leaning Multi Wheel）テクノロジー」により、コーナリング時でもしっかりと路面を捉え、安定した走りを実現しています。
一般的な二輪バイクは、路面の凹凸や滑りやすい状況で不安定になりやすいですが、トリシティ300はフロント二輪が衝撃を分散してくれるため、安心してコーナリングできます。特に、雨の日や荒れた路面でもグリップ力を維持しやすい点は、大きなメリットと言えるでしょう。
また、二輪バイクと同じようにリーン（車体を傾ける）しながら曲がれるため、「三輪だから操作感が違うのでは？」と不安に感じている方も、意外と自然なフィーリングで走れるはずです。
3-2. 高速走行も快適！ロングツーリング向けの装備
トリシティ300はロングツーリングにも向いています。まず、高速道路の走行が可能な292ccエンジンを搭載しているため、一般道だけでなく遠出にも対応できるのが魅力です。
また、標準装備の大型ウインドスクリーンは、走行風をしっかりと防いでくれるため、高速走行時の疲労を軽減してくれます。スクータータイプなのでライディングポジションも楽で、長時間のライドでも体への負担が少ないのもポイントです。
さらに、トリシティ300には「スタンディングアシスト」と呼ばれる機能があり、信号待ちや渋滞時に車体を直立状態で保持することができます。これにより、足を地面につく回数が減るので、長時間乗っても疲れにくいのは大きなメリットでしょう。
3-3. スマートキーやトラクションコントロールなど充実の装備
トリシティ300は、利便性を高める装備が充実している点も魅力の一つです。
- スマートキーシステム
キーをポケットに入れたままエンジンを始動できるスマートキーを採用しており、鍵を取り出す手間がありません。特に荷物を持っているときや、グローブをつけているときでもスムーズに操作できるのが便利です。 - トラクションコントロール（TCS）
滑りやすい路面で後輪が空転するのを防ぐトラクションコントロールを搭載。雨の日や急発進時でも安心して走行できます。スクーターでこの機能が付いているのは珍しく、安全性を重視したい方には嬉しいポイントです。 - シート下収納（メットインスペース）
約43Lのシート下収納スペースがあり、フルフェイスヘルメット1個を収納可能。買い物や通勤にも便利に使えます。
このように、トリシティ300は快適性や安全性を高める装備が充実しているため、日常使いからツーリングまで幅広いシーンで活躍する一台と言えます。
トリシティ300は、確かに「車重が重い」「価格が高い」といったデメリットもありますが、それを上回るメリットが多くあります。三輪ならではの安定感、高速道路やロングツーリングでの快適性、先進的な装備などは、他のスクーターにはない魅力です。
「安全で快適にツーリングを楽しみたい」「三輪の安定感を活かして走りたい」という方には、ぜひ一度試乗してみる価値のあるモデルではないでしょうか。
トリシティ300は買いか？おすすめできる人・できない人
トリシティ300は、他のスクーターにはない三輪ならではの安定感や快適性が魅力ですが、一方で車重や価格といったデメリットもあります。では、どんな人に向いていて、どんな人にはおすすめできないのでしょうか？また、中古市場の状況についても見ていきましょう。
どんなライダーに向いている？トリシティ300が合う人
トリシティ300が特におすすめなのは、以下のようなライダーです。
- とにかく安定感を重視したい人
フロント二輪によるLMWテクノロジーは、通常のスクーターよりも高い安定性を発揮します。特に、雨の日や悪路でも滑りにくく、コーナリング時の不安も少ないため、安全に走行したい人には最適です。 - ロングツーリングを楽しみたい人
高速道路の走行が可能な292ccエンジン、大型ウインドスクリーン、スタンディングアシスト機能など、長距離移動を快適にする装備が充実しています。ツーリング好きな方には、大きなメリットとなるでしょう。 - スクーターの利便性とツアラーの快適性を両立させたい人
スクーターならではのオートマチック操作の手軽さと、大型バイクに匹敵する安定性を兼ね備えているため、「普段使いもしやすく、ツーリングにも行けるバイクが欲しい」という方にはぴったりです。
こんな人には向かない？他の選択肢を考えるべき場合
一方で、トリシティ300が合わない可能性があるのは以下のようなケースです。
- 車重が気になる人
237kgという重量は、スクーターとしてはかなりの重さです。特に取り回しや押し歩きのしやすさを重視する方には、もう少し軽量なXMAX300（180kg）やフォルツァ350（186kg）の方が扱いやすいかもしれません。 - コストパフォーマンスを重視する人
トリシティ300の新車価格は約100万円と、300ccクラスのスクーターの中では高額な部類に入ります。もし「コスパ重視」で考えるなら、より手頃なXMAX300や、さらに上位のフォルツァ750（約140万円）も検討の余地があるでしょう。 - スポーティな走りを求める人
トリシティ300は安定性を重視した設計のため、軽快なスポーツ走行には向いていません。ワインディングを積極的に楽しみたい方は、MT-03やNinja 400といった軽量なスポーツバイクの方が満足度が高いでしょう。
中古で買うのはアリ？価格と市場在庫の現状
トリシティ300を中古で購入するのは十分アリな選択肢ですが、市場に出回っている台数はそこまで多くありません。2023年以降のモデルは新車価格が高いため、中古市場でも割高になりがちです。
中古価格の相場は、おおよそ 80万円前後（2024年時点）で、新車と比べると若干安くなります。ただし、走行距離の少ないものや状態の良い個体は人気があり、すぐに売れてしまうことが多いようです。
また、三輪車ならではのメンテナンスが必要なため、整備履歴がしっかりしている車両を選ぶことが重要です。特にフロントのLMW機構の状態は、購入前に確認しておくべきポイントになります。
まとめ｜トリシティ300の欠点とメリットを総括
トリシティ300は、一般的なスクーターとは一線を画す特徴を持ったモデルです。
✅ メリット
- フロント二輪による 抜群の安定感
- 高速走行や長距離移動が快適な ツーリング向け装備
- スマートキーやトラクションコントロールなど 充実した電子制御
❌ デメリット
- 237kgの重さ による取り回しのしにくさ
- 価格が高め（約100万円） で、コスパ重視の人には厳しい
- スポーツ走行には向かない ため、軽快な走りを求める人には不向き
トリシティ300は、「安定感やツーリング性能を重視する人」にはおすすめのバイクですが、「軽快な走りやコスパを求める人」には向かないかもしれません。中古市場では比較的高値で取引されているため、コスト面で考えると新車を購入するのも一つの手です。
最終的に、トリシティ300が自分のライディングスタイルに合うかどうかを見極めるには、実際に試乗してみるのがベストです。三輪バイクならではの乗り味を体験して、自分に合っているか確かめてみてください。
